【南丹市龍穏寺~多治神社~美山かやぶきの里北村】ロードバイクで紅葉の田園風景を巡る秋の京都美山ライド

今回は、ロードバイクで京都府のちょっと北の方を紅葉目的で走ってきました。

毎年紅葉シーズンになると一度くらいは紅葉を見に行きたくなりますが、あまりに人が多いところだと木々の美しさよりも混雑の方が気になってしまって微妙な気分になることがあります。今回はなんとなく近場の京都府を訪れようと思ったものの、京都の紅葉で有名な市街地や東山はとんでもない人だかりになるのは想像に難くない。

なのでちょっと視点をずらしてみて、京都の比較的真ん中に位置する南丹市を中心に訪れてみました。結論から言うとこのあたりはロードバイクでも非常に走りやすいし、思っていたよりも人は少ないしで快適に紅葉を楽しむことができたと思います。

もくじ

南端市街地から龍穏寺へ

今回のルートをざっくりと書くと、まず南丹市街地を出発して付近のスポットを散策。その後は県道を走って美山まで向かい、出発地点に戻ってくるという形です。

最初に訪れたのは、南端市街地から県道54号を南下したところにある龍穏寺というお寺です。周囲の田園地帯から少し高台に上ったところにあり、ここも京都の中では有名な紅葉スポットということで車は多かった印象。

ただ、秋の京都といえば市街地のスポットばかりを想像していてそれ以外の知識が乏しかった自分としては、このあたりの比較的静かな雰囲気がすぐに好きになりました。もちろん国道9号なんかだと交通量は多いけど、逆にそれ以外は至って普通です。

何年か前に行った東山や嵐山、貴船周辺…要は大多数の観光客が京都を訪れる際に必ず行くような場所はバスや車、人だかりでカオスなことになっていたのに対し、ここでは少なくとも混雑はない。今まで目を向けてこなかった京都の別の側面が見れた気がして、走り始めていきなり気分が良くなった。

龍穏寺の紅葉は参道から本堂に至るまでの道筋が有名で、秋が終わろうとしているこの時期でも十分に楽しめました。地面には紅葉が過ぎ去った落ち葉が絨毯のように敷き詰められており、これはこれで紅葉の一つの見所だと思います。

変な見方をすれば、紅葉最盛期のタイミングではなかったからこそ今回のような適度な人だかりで済んだのかもしれない。紅葉とか桜の情報ってネットを介すれば全国どこでもすぐに把握できるし、京都は関西圏からとても近いので、もう紅葉が見どころなのか→じゃあ今週末行くか!という流れになりやすいと思う。

もう秋が終わりますという週末で、上記のような観光客の思考の流れがあんまりなかったのも良かったのかな。自分としては今回のようなシチュエーションの方がゆっくりできて好きです。

すぐ近くには銀杏の黄色が美しい神社もあって、でもこの景色を見に来ている人は自分しかいない。

旅先で遭遇する神社は個人的に立ち寄る確率が高いところだけど、紅葉の時期でその神社に鮮やかさがプラスされているならなおさら。神社って人がいないのに心が落ち着くという不思議な場所だと思っているし、建物や周囲の環境など、神社を取り巻く状況が一つとして同じものがないのが素敵だと感じます。

この神社もいうなればそんな感じで、自分がやっているような適当なライドの途中に歩いてみるにはちょうどいい。

西光寺を経て多治神社へ

龍穏寺を後にし、後は所々のスポットを巡りながら美山を目指しました。

美山を一番後にしたのに特に深い理由はなくて、単純に折り返し地点になるのがここだったというだけの話です。いずれ他の時期にも訪れることになるのは間違いないので、今回がっつり散策するというよりは雰囲気だけ掴むのが目的という心積もりでした。美山と京北といった京都北部は林道が多いので、ロードバイクだけでなくグラベル関係でも楽しそうな予感。

今回走ったのはどちらかというと観光的な側面が薄いところが多く、次に訪れた西光寺もその一つ。

観光客と思われる人はごく少数で、ほとんどが地元の人と思われます(それでも全体で数人)。ご覧の通り門が特徴的なお寺で、紅葉もまだ見頃だったのに人が少ないためゆっくりと鑑賞できました。一番上の本堂右手にある木が一際大きく、ここの色づき具合が特に良かったです。

やはり、どこへ行っても神社はいいものだ。

他の季節、他の地域で神社仏閣を訪れる際には訪問しているのが自分一人しかいないようなシチュエーションが多く、その場所の雰囲気に浸るにはそういう環境がベスト。しかし秋の京都といえば人が多く、同じような体験をするには難しいと思っていたのが、良い意味で裏切られました。少し時期をずらし、場所を選べば普段と何も変わらない感情を味わうことができる。

西光寺のすぐ手前には小さな神社があって、ここもまた今回訪問してよかったと思える場所でした。

ちょうど時間的に境内のほとんどが影に入るタイミングで、でもその一角には日光が差し込んでいる。そしてふと上を見上げれば、黄色と赤色の美しいグラデーションの色彩が目に眩しい。確かに有名所のほうが木々も多いし迫力もあるだろうけど、こういうちょっとした幸せを積み重ねていく行程も自分的には好きです。

今回のライドの目的は紅葉を見に行くこと。でも今回に限っては特に大きな目的もなく、季節が秋から冬へと移ろいゆく最中に自分がいて、秋という日本の四季を実際に味わっている。これができたのでもう満足です。

ここからは県道25号を北へ進み、道の駅周辺で県道19号へ入って美山を目指しました。道中はツーリング中のバイクと遭遇する機会が多く、体感的には車とバイクが半々くらいだったように思えます。京都の南の方はツーリングに向いているのでバイク乗りが多いとは聞いていましたが、まさかこれほどとは。

走りやすい道が続く

そんな感じで走っていき、到着したのは県道19号に面した多治神社

鳥居をくぐって参道を進んでいくと左手に茅葺屋根の休憩所?があり、その外観がこの神社の歴史を物語っているようでした。当然ながら自分以外に参拝客はなし。目の前の県道はそこそこ交通量が多いものの、立ち止まってみようという人はいないようです。

多治神社はどうやら無人の神社のようで、境内に社務所のようなものはありましたが人気はありません。

今回は訪問タイミングが良かったのか、木に残っている紅葉と地面に散った落ち葉の割合が半々くらいで見応えがありました。良い感じに陽光が木々を照らしてくれているし、たまに感じる風の寒さも秋を実感できて嬉しい。走っているときはそうでもないものの、こうして歩いて散策していると微妙に寒いのがいいですね。

紅葉って色が一色でないのが個人的には素敵だと思っていて、落ち葉を眺めてみても黄色のものがあれば赤色のものもあるし、その中間くらいのものもあって定まった感じではない。落ち葉の色に着目してみるのも秋の特徴の一つだし、そう思って視界の中の色彩の微妙な差を見つけていくのも面白いです。

茅葺屋根の里、美山を散策

その後は引き続き県道19号を進み、国道162号と交わるところで県道38号へ切り替えてからさらに数km。

県道19号はずっとこのように比較的平坦な道を進むことになり、てっきり山間部なのでアップダウンが激しいと思っていたのが嘘みたいでした。

このあたりは集落が連続的に登場してくる農村の風景が多く見られ、その近くには小さな川が無数に存在しています。人々の生活には水は欠かすことができないものということを考えると、昔からこの地域は水が豊かだったことが窺えます。基本的に「何もない区間が長く続く」というシチュエーションが美山周辺では見られず、ちょっと進むだけで何らかの家屋が登場してくるので心細さはありません。

そんなこんなで、無事に美山かやぶきの里の北村集落に着きました。

美山はこの地域に残る山里の農村集落の一つで、現代ではほとんど見られない茅葺屋根の建物が数多く残っているのが特徴の一つ。美山の茅葺屋根は江戸時代や明治時代に建てられものが多く、今に至るまで保存活動が続けられています。さらにそれらの建物には現在進行系で住民の方が生活をされており、岐阜県在住としては白川郷を彷彿とさせるような日本の原風景を見ることができます。

こういう風景を目の前にしたとき、どこか懐かしい気持ちになるのはなぜなんだろうといつも思ってしまう。同時に、ここに滞在していると時間の流れがゆっくりになったようにも感じられる。

自分自身茅葺屋根の家屋に住んだことはないし、幼少期をここで過ごしたわけでもない。それでもまるで一度来たことがあるかのように感じられるのは、ここが日本古来の心洗われる風景からだからなんじゃないかと思ってやまない。昔では普通だった、自然と共に生きる生活がここにある。

車やバイクで訪れた場合は駐車場が広く確保されているほか、サイクルラックもあるのでロードバイクでも問題ありません。

今だったら観光客が少ないので押し歩きならいいよとのことで、ロードバイク込みで歩いて散策をしていきました。

この美山は本当に不思議なところで、確かに観光地として説明不要の場所だし観光客向けの店も複数あるしで観光スポットに属するのは間違いない。でも実際に集落内を歩いてみるとそう感じることは少なく、単に山深い人里にお邪魔しているように思えてくる。

集落内には畑もあるし農具置き場もあるしで生活感が随所に見られ、それでいて標識や看板が最低限しか無いのも理由の一つかもしれません。

なんでこれほどまでに人が少ないのかと言うと、時間を調節してあえて日没間際の時間帯に訪問したからです。日中とかに来れば人が多いのは分かりきっているので、わざわざ自分からブルーな気分になりに行くことはない。

これが予想以上によくハマってくれて、集落内を散策しているのは自分以外に数組だけ。そういえば旅先で夕方に出歩くのは自分でも珍しく、日中とは異なりオレンジ色の光が一面を照らす光景は新鮮に感じました。

最後は、集落の東端に位置する知井八幡神社をうろうろ。

知井八幡神社は石段を上った高台にある眺めの良い神社で、拝殿の向こう側にある本殿の彫刻が見事です。境内も広く、建物の木材、土台となる石畳や石垣、そして木々や落ち葉といった植物との組み合わせが非常に美しい。

すでに日は傾きかけており、境内から鳥居方面を見ると自分の目線の高さとそう変わらないところから光が差し込んでくるのが見える。誰もが活発になる昼間もいいけど、そろそろ帰路につく人が出てくる夕方の時間帯も好き。夕日によって風景の明暗が強調されているのを見ると、自然とそう感じました。

去り際にもう一度集落を散策して、美山かやぶきの里を後にしました。美山の散策時間としては少々短かったけど、美山の魅力そのものは十二分に実感することができたと思います。

ここまでの道中で見てきた自然と集落が一体となって溶け合った里山の風景や、その延長線上にある美山を訪問することができたこと。加えて冬に入る寸前の「秋」という静かな季節にそれが実行できたことが、自分にとって良い体験となりました。
今回の訪問で日本の四季っていいよなって強く思ったし、別の季節に美山を再訪したときに同じことを思うのは間違いない。まるっきり性格が違う季節が4つもある日本って、旅をする上で本当に素晴らしい。

最後は「道の駅 美山ふれあい広場」にあるお店でジェラートをダブルで注文し、ロードバイクを走らせてスタート地点へと帰還しました。気温はかなり寒いのに、わざわざ冷たいものを食べるのはこの時期あるあるだと思う。

そんなこんなで、今回の京都美山ライドは終了。

京都はまだ中心部と南部しかメインで訪れたことがないため、ロードバイク込みでも宿泊メインでもまだまだ訪れる機会が多いと思います。自分の知らない京都の魅力って当然ながらたくさんあると思うし、今回感じたように季節が違えば魅力も変わる。岐阜から京都は近いので、今後は気軽にふらっと出かける方針でいきたい。

おしまい。

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