湯の鶴温泉 喜久屋旅館 昭和前期創業 古来から続く湯治場の木造旅館に泊まってきた

今回は、熊本県水俣市の湯の鶴温泉にある喜久屋旅館に泊まってきました。

湯の鶴温泉は個人的にずっと訪れてみたかった温泉街であり、最終的に八代海へと注ぐ水俣川の支流である頭石川、そのほとりの一角に全国でも屈指の鄙びた風景が広がっています。昔は何泊も滞在する湯治客が多く、湯の鶴温泉はそうした湯治客向けの温泉として相応の広さを備えた比較的大型の木造旅館が点在していました。

喜久屋旅館はこの地で約80年前(昭和前期)から営業しており、温泉街の他の旅館も同じくらいの創業とのことです。
頭石川に沿って建物が形成され、遠目から見るとかなり長細い形をしているのが特徴。玄関は短辺側にあるので奥行きがものすごく長い旅館となります。宿泊可能な人数は個人客のみだと最大20人くらいまでで、合宿になると1階も2階も満室。つまり古い歴史を持つ建物ながらも、どの部屋も稼働状態にあるという点に驚きました。

また喜久屋旅館は現在においても合宿等の団体客を多く受け入れている珍しいタイプの旅館で、確か過去2回くらい「合宿で満室なんです…」と断られたため宿泊を延期した覚えがあります。近くにあるエコパーク水俣という場所でよくスポーツの大会をやっているらしいです。

もくじ

外観

まずは外観から。

水俣市街から県道117号を通って川を遡っていると湯の鶴温泉に到着し、喜久屋旅館は温泉街の入口近くに位置していました。県道沿いに大きな看板があるので分かりやすいと思います。

旅館の看板
橋の向こう側に旅館の建物がある
喜久屋旅館の外観
旅館の前の橋から上流側を見る
旅館の前の橋から下流側を見る

上記のように、湯の鶴温泉は川の両側に背の高い建物が立ち並ぶ風景が特徴的です。県道から川までもそこそこ高低差があるほか、川沿いのスペースを有効活用するために建物が高くなっています。

看板がある場所から右側を見ると小さな橋が伸びていて、旅館の建物はその対岸に位置しています。今回はロードバイクで訪問しましたが、車で来た場合はどこに止めることになるのだろうか。

湯の鶴温泉街のあちこちには水俣市出身の漫画家・イラストレーターの江口寿史氏がデザインした水俣市観光PRポスターが貼られています。ちなみに喜久屋旅館の館内にも貼られているので、なんかノスタルジックな世界から急に現代に引き戻されたような感覚になりました。

ポスターには「「教えたい、でも教えたくない」そんな秘湯がここにあります。」と書かれているけど、湯の鶴温泉で一泊した自分の感想はまさにその通り。このひっそり感はいつまでも続いていてほしい。

喜久屋旅館の木造2階建ての建物は本当に大きく、しかも川に沿って微妙にカーブを描きながら奥へと続いているので橋の上からだと最奥が視認できません。どこか突出したところがない均一の造りが横いっぱいに広がる光景にまず圧倒されました。

そのまま奥へと歩いていくと右側に玄関があって、すでに述べたように喜久屋旅館は間口ではなく奥行きが長い建物という位置づけ。なお湯の鶴温泉全体が山の谷間にあるので、玄関周辺に陽が指す時間は一日の中で短いです。

玄関前の駐車場

玄関の前には車が2台ほど止められそうな駐車場があるものの、ここは旅館の方用みたいなので宿泊者用の駐車場は別にあるようです。

駐車場の奥には自由に使うことができる足湯があって、これは主に温泉街を散策する人向け。あと近所の方がここの椅子に座って休んでいるのも見かけたので憩いの場という感じです。

足湯のそばからの眺め

それでは早速館内へ。

今回の宿泊者は自分一人だけということで、他の客を気にすることなくのんびり滞在できました。もっとも日帰り温泉に訪れる人はかなり多く、温泉の評判がかなり高いことが伺えます。

館内散策

玄関周辺

玄関周辺はかなり広めにスペースがとってあり、玄関ロビーも含めて建物の間口いっぱいの幅があるので空間的な広がりがとても大きいです。

玄関の様子
右側に靴箱がある
さっきも見たポスター(カラー版)

玄関を入ってまず正面に2階(特に大宴会場)へ続く階段がありますが、階段から大宴会場までの間にある部屋は旅館の方が使われているようなのでここは客が通るものではないようです。2階への階段はこの玄関のものを含めて合計4箇所あって、他の3箇所の方は普通に通れます。

玄関周辺を見渡してみると空間を仕切る壁が最小限に抑えられていて、つまりどの方向にも見通しがいいので余計に広く感じます。向かって右側に靴箱、その奥に玄関ロビーがあり、逆方向の左側にはフロントがありました。

玄関ロビー

玄関ロビーの様子はこんな感じで、長椅子や机、自動販売機等が置かれていました。ちなみに机の上には今日の新聞もあり、これは旅館においてはなかなか珍しいような気がする。

その他、所々にちょっとした置物や陶器などが飾られていて落ち着いた雰囲気があります。多いわけでも少ないわけでもなく、実にちょうどいい塩梅の数という感じ。

電話室の跡

玄関ロビーの横の一角がどうしても気になり、もしや…と思ったら電話室の跡が残っていました。内部は物置みたいになっていますが、外側のボックス部分はそのままのようで保存状態がいいです。

電話が現代のように普及していなかった当時は入口付近に電話室を設けている旅館がそこそこあり、見つけるとなんかラッキー気分。

階段についてはどこかの壁に沿わせる形ではなく、独立して天井から降りてきている形です。一般的には階段って壁沿いに設置するのが多いところ、階段のみというのは個人的にあまり見たことがありません(しかも玄関に対して横向き)。

フロント
喜久屋旅館の館内図

向かって左側にあるフロントは壁に窓のみが空いているという状態で、宿泊客と旅館サイドが接する空間が最小限になっています。

フロントの横には水俣市街の観光情報を含めて喜久屋旅館の概要が記載され、これによると1階には客室(6部屋)、温泉、厨房、宴会場があるようです。2階には客室(4部屋)、大宴会場、宴会場、リネン室があり、建物の比較的どこからでも1階と2階を行き来できるのが特徴。特に2階へ食事を運ぶ必要があることを考えると厨房の近くに階段があるのはとても合理的です。

宿泊客の動線は建物左側、フロント前から建物奥まで続く廊下を通って客室に向かうことになります。この廊下は途中で一度も折れることがなく直線状になっており、客室は常にその廊下の右側にあるので迷うことがありません。

つまり「建物の規模に反して経路が分かりやすい」のが喜久屋旅館の良さの一つ。外観から内部構造はあらかた目処がついていたものの、ここまでシンプルな造りだとは気が付きませんでした。

1階 廊下

続いてはその廊下を歩いて奥へ進んでみます。

喜久屋旅館の1階玄関~温泉までの間は建物の中央に廊下が通っており、厨房や宴会場、客室は建物の外側に配置されています。つまり廊下が直接屋外に面していないため少し薄暗く、照明を少なめにしていることもあって旅館らしからぬ雰囲気の良さがありました。照明については天井だけではなく客室前の地面に置くタイプもあり、これもあまり見ないもの。

比較的古い建物だと外周に廊下が配置されているため採光は十分確保できますが、それよりも少し新し目の建物になると喜久屋旅館のような客室配置になっているような気がします。

廊下は少し暗い
江口寿史氏の水俣市宣伝ポスター
宴会場を通過したところ。右側のドアが厨房に通じている
厨房前の階段。幅は細く一人分しかない。
客室前の屋根の造り
なぜかトウモロコシが干されている…。

廊下の天井は昔のままに板張りになっているのに対し、廊下は板張りではなく上から絨毯が敷かれていて歩きやすいです。

そして喜久屋旅館で一番驚いたのが、各部屋の入口の上に屋根が付いているという点。しかもその屋根は簡素なものではなく木の樹皮を葺いた一戸建風で、上部の組木に竹を用いているなど本格的な造り。これは他の旅館で見たことがありません。

入口に屋根を設けているのは豪華さを出すものだと思われ、しかも宴会場や大宴会場だけではなく各客室にまで付いているのが素晴らしいです。

温泉前に到着
2階への階段。こちらは幅が二人分ほどあり歩きやすい。

そのまま奥へ進むと女湯を経て男湯の脱衣所へ続く一角へ到達します。右側には踊り場を介して2階へと折り返している階段があって、1階/2階を問わずにここから先は客室ゾーンとなります。

まずは1階を奥まで進み、突き当りにある別の階段を使って2階に上がることにしました。

さらに奥へ
右側に客室が連なる

さっきまでの廊下とは明確に変わっている点として、廊下の左側が屋外に面していることが挙げられます。これまではあまり存在を意識していなかった「自然光」が突然目に入るようになり、大きな窓から入る日光がなんか心強い。窓がないという閉塞感が急に緩和されているのが分かります。

中庭の向こう側には男湯の浴室が位置していて、つまり男湯は旅館の建物とは離れているということ。廊下の前を通っているとたまに音が聞こえたりしてました。あと廊下の床がここにきて板張りに変わり、上を通るとギシギシ音を立てて微妙に心地よい。

また、廊下の所々にちょっと一休みできるような長椅子が置かれているのが本当に便利です。近年の宿泊施設では共用部分の設備が皆無なところが多いのに対し、喜久屋旅館では温泉からの帰りや夕食後の時間等に割とそこらへんで座って休めるのが嬉しい。客目線による心遣いが感じられます。

ここからでもフロント前の様子が見えるくらいに廊下の直線度が高い
ここにも椅子が置かれている

旅館の一番奥には「貸切露天風呂」と「貸切檜風呂」への入口がありますが、このうち貸切檜風呂については現在では使用されていません。

奥に2階への階段がある。右側が今回泊まった部屋。

建物奥まで来たところで、玄関方面を振り返ってみたのが上記の写真。なんとここからでも玄関の扉が見えているのが分かります。

廊下を歩いているときの視線って、あまり気にならないようで案外気になるもの。廊下が曲がっていたりするとその向こう側へと視線が動きますが、ここでは何もかもが直線なのでそういうことをする必要はありません。例えば客室前からでも日帰り客が来たことが一目で分かるし、宿泊客側というよりは旅館サイドにとって利便性が良いと言えます。

1階 泊まった部屋

今回泊まったのは1階最奥にある「第捨五號」の部屋で、広さは6畳+床の間があります。広縁に戸棚と洗面所、トイレがあるという至れり尽くせりな構造で、どうやらこの造りは広さこそ異なるもののどの客室でも共通なようでした。

設備としてはエアコン、テレビ、ポットあり。アメニティは浴衣、タオル、バスタオル、歯ブラシ、袋入りのシャンプーと石鹸があります。ただし浴室にボトル入りのシャンプーとボディソープがあったので特に使う必要はなさげ。

泊まった部屋
壁は砂?で出来ているみたいで触ると崩れる
付書院の意匠
アメニティ類
広縁部分

客室には床の間や付書院が設けられており伝統的な旅館というイメージなのに対して、客室の外側にある絨毯敷きの部分は広縁にしてはやたら広いです。トイレや洗面所のスペースを抜きにしても客室と同じ6畳分くらいはあり、さながら客室が繋がっているような感じ。

これは元々こうだったのか後から増築したのかは分かりませんが、よく見ると広縁から繋がっている扉の先には客室備え付けの浴室がありました。水周りを含めてこれだけの広さを増築するのは大変だし、最初からこの造りだったのではと思います。広縁は壁の色や木材の着色など洋風な感じが見られ、和風である客室と対比になっているのが素敵すぎる。

付書院の裏側
洗面所前
屋根の様子
トイレは和式を改造したもので、人を選ぶかもしれないですね
備え付けの温泉。使われていた当時のことを考えてもなんか狭いような気がするが…(子供がようやく入れる程度)
窓からの眺め

広縁の窓からの眺めはもう最高の一言。

湯の鶴温泉の景観を代表する「赤い手すりの湾曲した橋(名称不明)」が部屋の真下にあり、その橋を含めてどの方向も眺めが良いです。木造建築が立ち並ぶ風景…ではなくコンクリートで形成された比較的新し目の風景だけど、それが却ってノスタルジックさを思わせる。

すでに述べたように川と道路の高低差がそこそこあるので、横方向だけではなく縦方向もしっかり見えます。山間にあるとはいえ山の上に空も見えるし、立地もそうだけど旅館の外側部分が均一な造りになっていて景色を妨げていないのもいいですね。

2階 廊下~客室

1階の散策は以上で、続いては建物最奥の階段を上がって2階へ。

今更になりますが、今まで泊まってきた旅館では客室は1階にはなく2階以上にあることが多かったので、1階にも客室がある喜久屋旅館への宿泊は新鮮でした。喜久屋旅館は相当広い館内にも関わらずどの部屋も稼働状態にあり、それはこれから向かう2階も同じ。旅館サイドの人は女将さんと年配のお爺さんしか見ておらず、他に人がいるとしても少ない人数の中で維持されているのは大変なことだと思います。

2階へ

こちらの階段の幅は温泉前にあるものと同程度で、床には青い絨毯が敷かれています。確か以前にも同じ色の絨毯が階段に敷かれている旅館に泊まったことがありますが、案外一般的だったりするんでしょうか。例えば視認性が良いとか。

2階廊下の様子。基本的に1階と同じ位置に廊下や客室があるという分かりやすい構造です。

階段を上がってすぐ右側の客室はこんな感じで、入口を入ってすぐの廊下が広縁のような扱いになってました。

右側の屋根の建物が男湯
2階客室の一例
2階客室の一例
2階客室の一例

1階客室と同じく、2階客室の広縁も相当に広いようです。

2階廊下
屋外と屋内の明暗の差が良い
男湯の屋根

1階でいう温泉~建物奥の中庭にあたる部分は2階だと屋外感が強まり、高さ的に男湯の壁が窓の外に見えないので開放感があります。照明が点いておらず自然光だけという状況でもこれだけ明るく、歩くのに支障はないくらいです。

この「同じ場所でも1階と2階でシチュエーションが異なる」というのが自分は好きで、1階から2階に上がることによって得られる景色が明確に異なっている。2階からだと旅館のそばに広がる自然の多さを体感することができて、やっぱり窓の多さと大きさは旅館において重要な要素だ。

自分は写真を撮る際にできるだけ自然光のみで撮るようにしていますが、その理由の一つが屋内と屋外との明暗の差がとても美しいから。2階廊下から見える景色は喜久屋旅館の中でもお気に入りです。

廊下の奥が大宴会場で、左側が温泉前に降りる階段
大宴会場の様子。合宿の際にはここで食事を摂ると思われる。

廊下をそのまま歩いていくと正面に大宴会場、左側に1階への階段があります。大宴会場についてはその広大な広さもさることながらステージも備えていて、例えば団体旅行がメインだった昭和の時代にはかなり賑わったのだろうと思います。

1階への階段は、階段が占める体積が大きい

こちらの階段は温泉前で見かけたものと同じで、喜久屋旅館の中では天井が最も高くとってあるのが特徴。2階の天井と高さを合わせているために物凄く高く感じました。

温泉

喜久屋旅館の散策を終えたところで次は温泉へ。時期的にそろそろ温泉に積極的に入りたくなってくる寒さが到来しますが、喜久屋旅館の24時間入れて100%かけ流しの温泉は温度が高めなのでしっかり温まることができます。

温泉の種類は男湯、女湯、女湯(岩風呂)、貸切露天風呂の4箇所があり、貸切露天風呂については文字通り空いていれば誰でも入ることが可能。ちなみに館内図では上記に加えて貸切檜風呂と家族湯が記載されているものの、今では入ることができません。

  1. 泉質:単純硫黄泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
  2. 源泉温度と湧出量:54.9℃、210リットル/分
  3. 循環、かけ流しの状況:かけ流し式
  4. 加水の状況:泉温が高いため、夏20%程度、冬10%程度水道水を加水しています。
  5. 加温の状況:なし
  6. 温泉成分の特徴:独特の硫黄臭がします。刺激は少なく、入浴すると肌がつるつるすべすべします。
脱衣所の窓からの眺め
男湯の様子

男湯は四方が壁に囲まれているわけではなく一部が開放されているため、内湯とはいえ半露天風呂みたいになっています。広めの浴室にあるのは大きめの湯船が一つ、注ぎ口も一つというシンプルな構成です。

浴室にはシャワーがなく湯船からお湯を汲むことになり、部屋のアメニティとして袋入りのシャンプーと石鹸があるので入浴前にそれを使う…と思ったものの浴室にも備え付けのボトルのシャンプーとボディソープがちゃんとありました。

湯船の材質が桧で身体への接触感が良く、底には平べったくて大きな石が敷き詰めてあります。温度はそこそこ高めだったもののこの時期だと良いくらいで、自分だと一応長湯も可能。日が落ちるのが早い=寒くなるのも早いということで、夕方以降はずっと温泉に入り浸ってました。

男湯については近隣からの日帰り温泉客が多いほか、たまたま玄関周辺を散策していた際には鹿児島から来たという日帰り客が女将さん不在で困ってました。結局後になって再度訪れたみたいで、無事に入れたっぽい。

露天風呂の様子

貸切露天風呂は脱衣所がめちゃくちゃ広く、これは元々客室だったところを脱衣所に充てがっているようです。

露天風呂は屋外にあるので内湯よりは温度が控えめである上、何よりも外の状況を感じながら入れるのがメリットの一つ。低い気温と温泉の温度とのギャップだったり、頭上に広がる木々から季節感を感じたりもできます。貸切ということで入れるのはタイミング次第になるものの、自分たちだけで気兼ねなく入れるので狙ってみるのはアリ。

夕食~翌朝

その後は湯の鶴温泉保健センターの猫ちゃんを目当てに再度訪問したり、宿泊客が徐々に訪れている他の旅館を眺めに温泉街へ繰り出したりしてました。でもこの日は運良く喜久屋旅館の宿泊客は自分一人のみで、時間帯によらず館内でも寛げたというのはあります。

旅館に戻るとちょうど夕食の時間(18:00~)。今回は夕食/朝食ともに2つ右隣の「第捨貮號」の部屋で頂く形となって、宿泊者の人数が多い場合はおそらく部屋出しかと思われます。

夕食の内容

夕食の内容は食前酒、タイの塩焼き、野菜とキスの天ぷら、刺身(シメサバ、マグロ、甘エビ、タイ)、トマトシチュー、筑前煮、牛肉の焼肉が並んでいます。温かいものについては出来たてなので、より一層美味しく食べることができました。

なお厨房からこの部屋まではかなり距離があり、女将さんは料理をカートワゴン(台車)に乗せて運ばれていました。1階についてもそこそこの手間がかかるけど、2階は手で運ぶしかないのでなおさら大変です。。

何を食べても美味しいとはまさにこのこと。

温泉で疲れを癒やして夕食で失った栄養を補給できるというわけで、普段の生活では考えられないくらいに健康的な流れが完成している。忘れがたい体験ができたと思います。

夜の時間
夕食後の温泉
就寝

夕食後は軽く外を歩きに行き、寝る前に再度温泉に入ってから就寝。この次の日は平日で、いつもの翌朝目覚めるのが嫌になるような平日の迎え方ではないという事実だけでもう気持ちがいい。ましてや館内にいるのは自分だけな上、夜の時間になっても温泉街は静かなままという状況も安眠に繋がりました。

翌朝は普通に起床し、まだ朝食の時間ではないことに気がついて二度寝。その後はのそのそと起きて朝風呂に入ってからの朝食です。

朝食の内容
お世話になりました
朝を迎える湯の鶴温泉街

品数が多くて元気が出る朝食をいただき、女将さんにご挨拶をして喜久屋旅館を後にする。今日の行程は決して急ぐわけではないので出発を少し遅らせることができたのもよかったです。古い旅館にはできるかぎり長く滞在していたい。

湯の鶴温泉そのものの良さにも惹かれるものがあったし、喜久屋旅館の過ごしやすさや温泉の良さももちろん素敵なものでした。ここはまたぜひとも再訪したい限りです。

おわりに

水俣市の湯の鶴温泉は熊本県の最も端に位置し、一見するとここに温泉があるようには思えませんでした。しかし実際に訪問してみるとその景観や建物の密集度、旅館の建てられ方など自分好みの要素ばかりで、今回快晴のもと訪問できたことを嬉しく思います。

喜久屋旅館は温泉街の中でも特に存在感を感じられる場所にあり、そこでの一夜は良い思い出になりました。こうして記事を書いている最中にもまた泊まりたくなってきたので、次の訪問を計画しています。

おしまい。


本ブログ、tamaism.com にお越しいただきありがとうございます。主にロードバイク旅の行程や鄙びた旅館への宿泊記録を書いています。「役に立った」と思われましたら、ブックマーク・シェアをしていただければ嬉しいです。

過去に泊まった旅館の記事はこちらからどうぞ。

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