コンポーネントを12速Di2から機械式変速へ変更した話

今回は2022年に納車したフルオーダーチタンバイク KUALIS CYCLES Ti(リムブレーキ)の変速を、Di2から機械式に変えた話です。

もくじ

経緯

12速Di2は納車当時から現在まで最新の電動コンポーネントという位置づけであって、上位グレードのみならず下位グレードの105までもDi2になったことから、今では世間に普及した感のあるコンポーネント。とりあえず最新のロードバイクを買ってみたら搭載されているのがこれというくらいには一般的です。

スイッチを押すだけで変速が完了するので操作が楽だったり軽くなったり…とメリットが多く、気になるのは価格くらい。自分もとにかく「ライドが楽」になることを目的に、KUALISのオーダーと同時に導入することを決めました。

納車から約2年経って今回変速を変更した理由は大きく2つあって、1つはフィーリングによるもの。

スイッチを押して変速するのは確かにとても楽なんですが、感覚的にはそんなに好きではないというのが2年間乗ってみて感じたことでした。自分が自転車に乗っているのではなく電子的な機械を操作しているような別の感覚になって、どうにもしっくりこない。

2つ目は運用していく中で気になったことで、ざっと挙げると以下の通りです。

  • 変速スイッチが小さく、押しにくい。
  • バッテリーの管理が面倒。
  • 飛行機輪行時、バッテリーをシートポスト内部に付け外しするのが面倒。
  • チェーンリング、スプロケットの選択肢が少ない。
  • RDが原因不明の理由で一度故障した。

自分は結構面倒くさがり屋なところがあって、(メンテナンスをちゃんと行った上で)乗りたいと思ったときにすぐに乗れるようにしたい。そういう時にバッテリー周りの事項を頭の隅に置いておく必要があるのは自分にとっては少し面倒でした。ちょっと思い返してみてもDi2より過去に使っていた機械式の方が明らかに運用が楽で、ストレスなく使えていたはず。

まあDi2ではなくeTapにしたら解決するものもあるけど、旧世代のリムブレーキバイクをこれ以上あれこれ弄る必要はないと思っているので大人しく機械式にすることにしました。


最近になってなぜDi2の細かい点が気になるようになったかというと、おそらくロードバイクに乗る目的が自分の中で微妙に変化したからじゃないかと思います。

最初はあくまで旅における移動手段の一つという位置づけだったのが、次第にロードバイクに乗っている最中のフィーリングも重要だと考えるようになってきた。重さや速さなどの性能的に目に見えるものではなく、どちらかというと目に見えない部分。そこが自分に合うか合わないかが意外と大切だと。

変えたもの

というわけで、自分は機械式の方が好きだと気づいたのでコンポーネント周りをガラッと変更。段数はリムブレーキで使用する点と入手性を考慮して11速とし、自分に合うギア比をもう一度見直してからパーツを選定しました。

当初のフレームはDi2専用設計でオーダーしていたためにワイヤー受けが付いておらず、機械式化に伴ってKUALISの西川さんに相談して後付けしてもらいました。工賃が意外と安かったのが嬉しい。

一番重要なドライブトレインについてはフロントがGRXの46-30T、リアがアルテグラの14-28Tとしました。

自分の用途ではフロント50Tは不要なので46Tを使えるGRXをまず最初に選び、そこからギア間の繋がりを考慮してジュニアスプロケットを選択。これは自分が多用するギア比の周辺をクロスレシオにするのが目的です。最大スプロケットは28Tとなりますが、フロントが小さいおかげで最小ギア比1.07になるのでヒルクライムでも問題ありません。

ディレイラーについてはこのギアの組み合わせが問題なく動作するようにFDにGRX、RDにアルテグラ(SS)を選択。ちなみにGRXクランクとアルテグラRDとの組み合わせは公式に記載されていないものの、普通に動きます。

こんな風に自分に合う組み合わせを比較的自由に選べるのが11速の強みですが、現状の12速ではその柔軟性が低いと感じます。今では13速の話題もあって業界全体がフロントシングル方面にシフトしていくとして、そうなったらまた状況が変わると思うけど。

シフターには特にこだわりがないので、昔使っていたアルテグラを選択。

あとついでにハンドルバーをENVEのコンパクトに変えました。ブラケット部やエンド部を握った感触が今までに使っていたものよりも向上したので交換して良かったと思ってます。

これでハンドルバー、フォーク、ホイールがENVEに統一された形になりました。別にENVEにこだわっている意識はないけど、海外/国内を問わずに万人が手を出す理由が少し分かったような気がします。

最新状態のKUALIS。シンプルイズベストの雰囲気がある

そんなこんなで一度は電動コンポーネントを使ってみたものの、結局は機械式に戻ってきた。

とりあえず累計300kmほど走ってみたところ、機械式変速は私の手にとてもしっくりきます。特にヒルクライムをしていてアウターからインナーに落とすとき、細かくギアを切り替えているとき、頂上付近になって再びアウターに戻すとき…。シフターを通じて手に伝わってくる変速の感触が心地よく、そういえば最初にロードバイクを買ったときも変速が楽しかったなと思い出す。

あと全体を改めて見てみると、フルオーダーチタンフレームというレトロな存在には昔ながらの機械式変速が合っているような気もしてきました。性能云々よりもこれに乗って色んなところに気軽に出かけていきたくなるバイク。今回の機械式化によってバイク全体の時代感が統一されたと感じました。

KUALISにはこれ以上手を加えるつもりはなく、乗れるところまでひたすら乗っていこうというのが正直なところ。初心にかえったつもりで今後も全国を走っていきたいです。

おしまい。


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