今週末は日曜日が完全に雨ということで、遠出するのは控えて近場の鄙びた宿に泊まることにしました。
趣味としては主にアウトドア系が多い自分ですが、最近になって鄙びた宿巡りを始めたことで天気が悪い日でも明確な目的を持って外出することができていると感じます。天気がいい日だったらロードバイクや登山、天気が悪かったら鄙びた宿や温泉、読書をする。こういう風に切り替えていけば、以前よりは天気に一喜一憂することも少なくなりそうな予感。
宿に泊まるだけのつもりが
今回は愛知県にある旅館 玉田屋に泊まってきました。
玉田屋があるのは豊田市の足助町というところで、かつては江戸時代を中心に塩の道として物流の拠点になった町。今でも古い町並みが数多く残っていて、すぐ近くにある香嵐渓と合わせて賑わっているところです。
当初は完全に宿泊のみがメインだったため、町並み散策はそれほど考えていなかったものの、これが予想外に楽しかったという件。
日の出から間もない早朝に回ったこともあって、観光客はおろか地元の方すらまばらという状況でした。
よく旅先では一泊して、その町の朝と夜の雰囲気の違いを楽しむということをやっています。これがなかなかに楽しくて、普段は人の往来が激しい町並みが夜になると一転して静まり返っている。さながら町そのものがある種の生き物のようにころころと顔を変えていくような様を現地で味わうのが自分は好きなんですね。
そう考えると、この早朝の時間帯に訪れたというのは結構いい判断でした。まさに観光地の裏側を満喫できたというか、普通に観光していたらこんな人が少ない状況なんてありえないわけで。
足助の町並みは江戸時代後期から明治末期までの面影を今に残しており、愛知県では最初に重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に選定されました。
こういう風に古い家屋や施設を保存するのは当時の貴重な資料としても重要なところ、口で言うのと実際に実行するのは全く難易度が異なるもの。そこで生活をされていくとなると不便なこともあるでしょうし、ここまでしっかりと残っているのは素晴らしい。
こういう町って、特になにをするわけでもなくただ歩いているだけで楽しくなってきませんか?
当時にタイムスリップしたわけじゃないですけど、一部だけじゃなくて街全体に一体感があるので自然とそう錯覚してしまう。
ところで、香嵐渓といえばなんといっても紅葉が有名なところなのに、なんでこの季節にも人が多いんだろう?と思ってました。完全にシーズンオフの季節なのでそれも今回の訪問の理由の一つだったんですが、かなり人出が多い。
そしたらですね、香嵐渓のすぐ横にある飯盛山の斜面がカタクリの群生地になっていて、ちょうど今の時期が花の見頃になっていました。
カタクリの花は毎年春に開花し、開花してからは一週間ほど楽しめるとのこと。全く事前情報を得ていなかったので、これまた予想外に良い出来事が起きてくれてかなり嬉しかったです。この分だと明日の雨でほとんど散ってしまいそうだし、その前日に来ることができたというのは運がいいとしか思えない。下調べしすぎない自分の性格が良い方向に働いてくれたようです。
途中で散策を切り上げて日帰り温泉に入りに行ったりもしましたが、基本的にはこの日はほとんど足助の町を歩いていました。
確かに面積的というか、観光で回る箇所としては決して広くない足助町。ですが、路地裏とかも含めて自分の足で歩いてみると、想像以上に最所が多かったりするものです。気がついたら1時間、1時間と経過していたりもして、まさに時間を忘れるほど歩いていたという感じ。
夜は夜でまた違う町並みが楽しめて、夕食を済ませて玉田屋に戻る際にも色々散策したりしました。こういう時間を過ごしてみると、やっぱり散策の基本は徒歩なんですよね。徒歩のスピードだと自分を中心とした360°すべての方向が適度に確認できて、次はあっちの方角に行ってみようとか決めるのがやりやすい。
今後も散策を目当てにあれこれ各地を訪れたいです。
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