TAMAISM

旅の記録とか、舞台訪問とか。(旧 OFFTAMA)

【四万十川+沈下橋】鄙びた宿を巡る、冬の四国ライド Part 3/4 (@愛媛県、高知県)

誰も通らない道を走る

小薮温泉での一夜が静かに過ぎ去っていき、行程は早くも2日目に突入。

今日は宿泊地である窪川まで行くことになりますが、いつものようにルートは全く決めていません。強いて言えば、以前通ったことがある梼原町はなんとなく避けて通ろうかなと考えてるレベルで、例によって走る道は当日決めていくスタイルで行きます。

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小薮温泉にほど近い鹿野川ダム

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そんな中で適当に決めた今日の行程は、簡単に言うと四万十川沿いに走ってみること。

四万十川といえば日本最後の清流と呼ばれるほど清らかな川だし、シーズンとしては夏とか暑い時期が気持ちよさそうなもの。しかし、あえて冬に走ってみることでも結構気持ちよかったりするのではないだろうか。

ちょうど今日は気温が20℃前後まで暖かくなるとのことで、冬っぽさはあまり感じられないかもしれませんが、春のような陽気の中で走るのはかなり気持ちいいはず。

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小薮温泉の近くは四万十川に接していないため、まずはその流域付近まで行く必要があります。

てっとり早く行けそうな道を思案した結果、まずは国道197号から国道320号を経由して鬼北町まで向かって四万十川に合流し、そこからは川沿いに窪川まで走ることにしました。これなら比較的アップダウンも少なく、川沿いを散策する時間もある程度確保できる。

自分の場合はライドの時間よりも散策の時間の方を多めに取りたいので、1日の走行距離としては短めです。ロードバイクを趣味としてから今までに結構な回数を「旅としてのロードバイク」に費やしていますが、個人的には一日150kmくらいまでに押さえておくのがちょうどいい感じ。これくらいの走行距離だと散策の時間を多めに取ることができます。

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たまたま見つけた神社に立ち寄ってみる

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道の駅でポンジュースを飲みながら休憩

こういうときに自分が走るルートというのは、意図せずして交通量があまりないことが多い。

なので、周りの風景を十二分に楽しみながら、早すぎず遅すぎずのペースで走ることが可能だったりします。今回走った国道320号というのがまさにそんな雰囲気の道で、走っているのは地元の車が中心でした。日曜日の日中に走っている車といえば四国に住んでいる人がほとんどだろうけど、それでも予想よりは閑散としていたのは助かった。

ここでちょっと道の話をすると、四国の道というのは特徴的で、山と山の間にある町や集落を繋ぐように走っています。

もちろん「道」というものはそれが本来の目的ですが、大部分の面積を山が占めている四国だとそれを実感しやすい。町と町の間には人はほとんど住んでなくて、あるのは山や川、それにほんの一部の田畑だけ。これが本土ならちょっと走るだけでコンビニとか商店があって一安心できるのに対して、四国だとそれがなかなか通用しないことが多いわけです。

何が言いたいのかというと、四国は旅をするのに向いている土地なんじゃないかということ。

そこそこの距離を走ってやっとコンビニを見つけて感動する体験もできるし、人気のない山道をずっと彷徨うという体験も比較的簡単にできてしまう。不便…とまではいきませんが、適度に便利すぎない環境が広がっているというのは、個人的には良いと思います。もっと言えば、お手軽に非日常な時間を過ごせるのが四国の特徴の一つだと思う。

まさに今自分がそれをやってるけど、何もかも嫌になったら四国をぶらぶらするのもいいかもしれません。

四万十川と共に

そんな感じで、四国にしてはアップダウンが少ない道を走って若干拍子抜けしつつも鬼北町にやってきました。

ポンジュースを飲みながら気温の高さに服装を迷いつつも、ここからはもうひたすら東へ向かうだけ。

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一瞬、これが四万十川か!?と思いましたが、支流の広見川でした

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ここから先は四万十川に沿うことになるが、同時に予土線も川沿いに走っている。

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相変わらず視界に入ってくるのは山ばかりだが、明確に変わったことが一つ。それは四万十川のほとりを走ることによる開放感だ。

今までは山と山との谷間にあった道が、川沿いに移ったことで平面的な余裕が生まれている。単純に考えれば川幅の分だけ画角が拡張されたことになり、左右の山の高さは以前と変わらないのにも関わらず閉塞感がまるで無くなっている。

それと同時に、聞こえてくるのは四万十川が流れる気持ちの良い音。快晴の空、美しい川面、そして清流・四万十川のせせらぎ。五感を刺激してくる風景に心が震えてしまう。ここまで走っていて気持ちのいい道はなかなかあるものではない。

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道の駅で休憩。地元の豚を使用した生姜焼きが美味い。

行程の途中でとる昼食は、今回は道の駅にしました。

ロードバイクは道を走るものである以上、頼りになるのが道の駅の存在。休憩地点としても適しているし、食堂が併設されているところも多いので食事もできるのがメリットの一つ。しかも、そこで食べることができるのはその土地の食材を生かした料理ばかりとなれば、必然的に立ち寄る機会も多くなってくる。

さっきは「コンビニがあるとほっとする」みたいなことを書きましたが、よく考えてみれば旅の途中でコンビニに立ち寄る機会はほとんどなかったわ。現金払いの宿用に金を下ろすくらいかな。あとは飲み物にしても自動販売機で事足りるし、どっちかというと道の駅の方が訪問回数が多い。

で。

四万十川の流域を走っていく中で、まさしく自分はいま高知県内にいるんだ、と強く実感できる風景が見えてきた。

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長生沈下橋

それがこの沈下橋

沈下橋は通常時には橋としての役割を果たし、増水時には水面下に沈んでしまう橋のことをいいます。かつて洪水でも壊れない橋を造ることが難しかった時代に、あえて増水時に沈む高さで橋を造ることで流木などが橋の上を流れていきやすいように工夫されたもので、その特徴として、ご覧の通り欄干がありません。

欄干がない以外にも橋の構造的には非常に簡素化されており、万が一橋が流されてしまった際にも比較的容易に復旧できるという利点もあります。

高知県には至るところにこの沈下橋が存在していて、特に四万十川にかかる沈下橋は観光スポットとして非常に有名。夏になれば、川遊びと合わせて訪問する人が多い場所でもありますね。

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第一三島沈下橋

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橋と川との距離が近い

沈下橋の良いところは、なんといっても橋と川面との高低差がほとんどないことじゃないでしょうか。

沈下橋は一般的な橋とは異なっていて、橋の大きさ自体はそれほどでもなく、橋の幅も車がようやく一台通れるくらいには細いです。加えて欄干がないことからダイレクトに四万十川の流れを満喫できるというわけで、ロードバイクでの散策中に立ち寄るにはもってこいのスポット。

橋の端っこに座って足を放り出して座ってみると、眼下には静かな川の流れが感じられる。適度な風も吹いているし、気温はというとまるで春並みの暖かさで非常に心地よい。実に充実した時間が過ぎていく。

次第に寝転がってから何分経ったとかいう感覚もどうでもよくなってきて、ここでずっと昼寝をしたいという気持ちになったりもした。日曜の昼下がりの過ごし方としては、やはり自分はこういうのが好きだ。


ちなみに、周りの雰囲気のことを考えるともう少し暖かくなってから訪れるほうが良いかな?とか思ったものの、あえてこの冬の時期に訪れたのにはもちろん理由があります。

言わなくても分かると思うけど、人が少ないからですね。

これから暖かくになるにつれて四万十川を目当てに遊びに来る人は当然ながら多くなってきて、橋の近くでキャンプする人もいるでしょう。そんな中でこんな風に雰囲気に浸るなんてとてもじゃないけどできそうにない。まあ平日に訪れれば多少はマシかもしれんけど。

自分の方針としては、「混んでるハイシーズンより空いてるオフシーズン」という考えで行動していて、これが結構うまいこといってくれている。わざわざ混んでいると分かっている場所・時期に行くのはちょっと避けたい。

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茅吹手沈下橋

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マジで誰も通りません

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沈下橋にはいわゆる「有名どころ」というものがいくつかあって、四万十市周辺の下流域に集中しているようです。

自分が今回走っているのはそれとは逆方向の上流側にあたり、個人的な印象としてはそれほど沈下橋の存在が推されていない様子でした。つまり観光客はあまり訪れないような橋が多くあるというわけで、そういうところを訪れてみるのも結構面白かったりします。

なんというか、自分がしたいのは型にはまったような「観光」ではない。

誰かに決められたルート・観光コースをそのまま一から十までなぞるのではなく、自分のペースで/自分で良さそうだなと思った道をいくのが面白いと感じる派なので、訪れる場所は観光チックな要素がほとんどありません。

まあ、たまにはそういうのもいいよね。

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実に静かだ

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とある沈下橋は工事中だった

そんなことを考えながら、訪れた沈下橋の先々でのんびりしまくっていた。

やっぱり、精神を休息させるには大自然に触れるのが一番てっとり早いと思う。自然の中に自分を置いてみると、今抱えている悩みなんて実にちっぽけなものだと実感できる。

あとは、川の近くとか山の中って本当に静かなんですよね。余計な騒がしさが一切ない。

定期的に気分をリフレッシュさせるためにも、適度な頻度で自然に触れることが人生には必要だと思う。

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この辺りは以前酷道を走った際に通過したところ

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若井沈下橋

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タイミングが合えば予土線の電車が見えます

そんなこんなで、四万十川や予土線とくっつきながら東へと進み、宿泊地である窪川に無事到着。

四万十川については、今回はほんの触り程度に散策したという感じです。本格的に散策するのは次回のお楽しみということで。

美馬旅館に泊まる。

この日に泊まった美馬旅館の宿泊記録は、別記事でまとめています。

さて、翌日は今回のライドの最終日。

最終日は高知県の海の幸をがっつり堪能してみました。

つづく。