羽根沢温泉 加登屋旅館 大正2年創業 温泉街最古の湯治宿に泊まってきた

今回は山形県鮭川村にある羽根沢温泉 加登屋旅館に泊まってきました。

夏の長期休暇を利用して遠方の温泉旅館を訪ねることに決まり、毎日の労働で疲れ果てているために世間から離れた宿で身体と心をリフレッシュしたいと思って初日の宿に選んだのがここ。羽根沢温泉は温泉の宝庫として名高い山形県の山奥にあり、温泉のオの字もないような田舎道を車で走らせているといきなり温泉街が現れてくるのが印象的でした。

もくじ

加登屋旅館の歴史

館内に2018年6月の新聞の切り抜きが展示されており、歴史について詳しく書かれていたため要約させてもらいます。


羽根沢温泉には現在3軒(加登屋旅館、紅葉館、松葉荘)の旅館が営業しており、その中でも1913年(大正2年)創業の加登屋旅館は温泉街でも最も長い歴史を持っています。羽根沢温泉の由来ははっきりと記録されていて、その始まりは明治時代末期。石油需要の急激な高まりをうけ今まで輸入に頼ってきた資源を国内に求める方針となり、庄内地方や最上地方においても油井掘削が試みられました。羽根沢地区でも1919年8月から日本石油が掘削をはじめたものの、思うような結果は得られずに撤退。しかし思いがけず同10月になって地下から突然温泉が湧き出しました。石油が得られなかったことからこの時の穴は廃坑とされましたが加登屋旅館の創業者が湯権の譲渡に成功し、工事をして温泉の湧き出しを永年継続させたそうです。

これが羽根沢温泉の始まりとなり、現在では5代目のご主人と女将さんを中心にして加登屋旅館は営業されています。ところで温泉を掘り始めたのが1919年で旅館の創業が1913年。どういうことだろうと思っていたら加登屋旅館は日本石油が油井を探して調査する段階から作業員宿舎を営まれていて、掘削場所の決定とともに現在の場所に移転されたとのことでした。1970年(昭和45年)頃までの冬季は庄内地方からの湯治客(主に自炊客)で忙しかったようです。羽根沢地区はかなりの山奥に位置することから当時新庄駅から出るバスは町役場止まりだったため、そこから客を馬そりに乗せて運んでいました。昔の湯治は宿を訪れるだけでもハードだな。

その後は最上三十三観音参りがブームになり、巡礼者が温泉街に大挙して訪れるようになったので旅館を増築して対応。最盛期には一日100人以上が泊まって布団の上げ下げが大変だったとインタビューされていました。団体客がメインだった昭和の頃の建築様式を旅館館内で見かけることは多く、加登屋旅館もその一つですね。団体客が減った今でも個人のファンが多く泊まられているようです。

外観

というわけでまずは外観から。

鮭川村の県道315号を上って羽根沢温泉街に入り、奥の方にある羽根沢温泉駐車場の真正面にある宿が加登屋旅館です。羽根沢温泉は温泉「街」と言えるほどには建物が集まっているものの、廃業した巨大な宿もいくつか目につきました。場所が場所であることに加えて全体的にひっそりとした雰囲気が漂い、まさに知る人ぞ知る温泉という感じがします。

加登屋旅館 正面外観
奥へ細長い構造
羽根沢温泉街
玄関

加登屋旅館の外観は結構特徴的で、間口が狭く奥へ細長い構造をしています。

正面については玄関の上に2階がせり出す形で設けられ、眺めの良さそうな部屋と廊下が視認できました。また「加登屋」と大きく書かれた2階の壁は平面ではなく円弧を描いており、これも宿の建物としてはあまり見ない造り。近くにある他の角張った建物と比較するとその違いが分かりやすいです。

横から見た重厚感のある外観や左右非対称の玄関周りなど、一度見たら忘れないくらいのインパクトがある。旅館の第一印象はやっぱり外観にあると思っているのでいきなり新鮮な気持ちになりました。

館内散策

1階 玄関~玄関ロビー~廊下

続いては館内へ。加登屋旅館の構造を大まかに説明すると以下のようになっています。

  • 1階:フロント、厨房、ロビー、温泉、客室、トイレ
  • 2階:大広間、客室、トイレ。
  • 3階:客室とトイレのみ。

メインで使われているのは1階と2階で、3階はアクセス自体はできるもののあまり使われていないような感じがしました。ちなみに今日は平日だったため宿泊客は少ないと思いきや意外にも多く、玄関前の"歓迎"のボードを見るとどうやら団体客も泊まっているようです。

玄関は豪雪地帯らしく二重になっており、自動ドア×2を通った先が屋内。これなら寒い時期でも冷気が館内に直接入ってきません。

そして玄関の真正面にフロントがあるという至極分かりやすい造りをしています。「湯元加登屋」「フロント」って書かれてあるフロントはどこかホテルのようで洋風が全面に押し出されていていて、特に1階は昭和の時代に新しめに変わっているようでした。床や天井の模様もわりかし派手かつ複雑で凝っており、うまく言えないけどこういう意匠を見ると昭和っぽさを感じる。

その一方で館内Wi-Fiが整備されているなど、現代に対応されている点も素晴らしいところです。

廊下はかなり広い

客の動線はフロントの右奥へ続いており、玄関土間の横にコインロッカーと自動販売機、その奥に温泉、そして廊下を進んでいくと雑誌コーナーや玄関ロビーがあります。

個人的にちょっと意外だったのが温泉の場所。奥へ細長い建物の造りなら温泉は建物真ん中か最奥部に位置しているのが普通だと思っていたのが、加登屋旅館では逆に玄関のほぼ真横にあります。ただこれは増築を加えた現在の巨大な建物全体を比較対象にして考えているから意外なのであって、増築前の昔の時点でではちょうどいい位置だったのかもしれない。玄関に近いので日帰り温泉で訪れたときにアクセスしやすくて便利そうです。

玄関ロビー
玄関ロビーの向かいに2階への階段
なんと屋内に池がある

古い旅館ではあまり見ないくらいに広々とした廊下を進んでいくと玄関ロビーと2階への階段があります。玄関ロビーには囲炉裏が一体となったような中央のテーブルの周りにソファがあって、空間としては開けているけど休憩スペースとして周囲から明確に分離されている。私はどちらかというと開放感があるところよりも狭い場所のほうが落ち着けますが、ここはソファが内側を向いていることもあって意外と落ち着けました。

ソファは大きくて柔らかいので休憩に便利なほか、飲み物コーナー、各種資料、雑誌コーナー、池(!)が併設されていて居心地が良い。温泉から上がった後で一息つくのに適しているため、自分も部屋に戻る前にここで休んでました。

別館と大広間への通路
別館の様子。「別館 静観荘」の文字が見える

玄関ロビーを過ぎて正面に進んでいくと左側に厨房があり、そのまま直進すると1階の客室ゾーンに入ります。

ここでふと廊下の右側を見るとシャッターが降ろされて先に進めなくなっていて、壁を見てみると「別館1/2階 大広間」の文字。シャッターの奥がちょっと気になったため池の横の窓から覗いてみたところ、窓からは今自分がいる本館よりもさらに巨大な建物とその横に広がる池が見える。表通りからは全く見えないところに別の建物が繋がっていると知ってかなり驚きました。しかも雰囲気がめちゃくちゃ良さそうでこういうの興奮する。

この別館は加登屋旅館が全盛期だった頃に使用されていたところのようで、宿泊客が比較的少なくなった現在では建物の管理を楽にするために通行止めにしているようです。何もかもがうなぎのぼりだった昭和の名残が垣間見えたような気がして、なんかお得気分。

左側が厨房
トイレの様子
廊下の一番奥

廊下に戻って先を進むと右側にトイレ(ウォシュレット付き)があり、さらに進むと自分が今日泊まる客室がありました。ここの廊下はさっきの玄関ロビー周辺の廊下から比べると幅が一気に狭くなるのでその落差に驚く。

ちなみに廊下の一番奥には裏口と炊事スペース・洗濯機・電子レンジなどがあります。

1階 泊まった部屋

今回泊まったのは1階廊下奥の102号室で広さは8畳。

設備はエアコン、テレビ、空気清浄機、内線、ポット、あと広縁には冷蔵庫と洗面所があって充実しており、長期滞在にも向いています。アメニティは部屋に浴衣、タオル、バスタオルが常備されていて、別途フロントに歯ブラシ等があるので必要な場合はそこから取ってくる形。一通り揃っているので正直手ぶらでも問題ありません。

泊まった部屋
広縁がある窓際は比較的狭い
船底天井
ガス栓

室内は新しくなっているものの床柱や船底天井などに古い部分が残っていました。

また現在は使われていないようですが壁の下の方にガステーブル用のガス栓があり、昔は客室内でガスを使用する料理をやっていた様子です。近年では鍋や焼き肉等の火を使う旅館の食事ってほぼ固形燃料を使うし、これは昔ながらの造りや建材以外で旅館の歴史を感じさせる部分だと思います。

広縁の網戸は開かないようにはめ殺しになっている

旅館における客室っていわゆる自分の城みたいなもので、宿泊施設の中で最も落ち着ける場所。一日を過ごすことになる客室に到着して荷物を置き、運転の疲れもそこそこにお菓子と一緒にお茶をいただきながらホッと一息つく。ここから温泉旅館での滞在が始まると思うと嬉しくなってくる。

羽根沢温泉は昼間でも交通量が多くない上に、102号室は玄関から数十メートルは離れているので車の音は一切しません。そのぶん自然の音に耳を傾けながらゆっくり休めるというわけで、静寂さを重視する人にとってはたまらないはずです。

2階 廊下~大広間

次は2階に行ってみます。

2階への階段は玄関ロビー横の1箇所のみとなりますが、建物のほぼ中央に位置しているため1階への移動にあたって差し支えはないようです。

2階へ
表通り側を見る
別館への通路は1階と同じく封鎖されている

1階では廊下に色んな展示物があったのに対して2階はかなりシンプルで、椅子以外に置かれているものはほとんどありません。床や天井の意匠は同一なものの雰囲気はかなり異なります。

2階に泊まる場合は階段を上がって表通り側の客室を使うことになるらしく、清掃が行き届いている印象を受けました。

廊下の様子
非常はしご

2階の客室は廊下の左右にドアが互い違いに配置されているホテルチックな造り。必要最小限の展示といい旅館ではなくまるでビジネスホテルにいるみたいです。

表通りに面した廊下の端には休憩スペースがあり、ここでのんびりするのも良さそうでした。一般的な旅館における客室の展望の良さの一つに「表通りに面しているかどうか」が挙げられるけど、間口が狭い加登屋旅館では表通りに面しているのは客室1室とこの休憩スペースのみとなります。

羽根沢温泉駐車場
羽根沢温泉街を眺める。実に夏っぽい景色。

休憩スペースからの景色はこんな感じで、目の前の羽根沢温泉駐車場と温泉街の一部が見えました。

建物奥側へ
椅子が整頓して並べられている
大広間

2階の廊下を逆に建物奥側へ向かうと、建物の右側面に面するように廊下が通っています。建物中央でなく左右どちらかの端に廊下を配置するのは部屋の面積を増やすためであり、案の定2階奥には宴会用の大広間がありました。単に広いだけでなくステージやカラオケ用の設備・スピーカーがあるなど本格的なもので、天井の格子の間に描かれた絵も見事でした。

館内表示によれば別館にも大広間が存在することが確定していることから、つまり加登屋旅館は本館・別館の両方に大広間を持っているということ。全盛期には相当な人数が泊まったことが伺い知れます。

一番奥の廊下の窓からは本館の右側面の敷地を眺めることができました。これは実際に泊まってみないと見えない風景であり、表通りからは絶対に見えない場所。なんか探検をしているようでこれはこれで面白い。

正面にあるのが別館とそれに繋がる池の上の連絡通路(2階建て)で、遠目から見た限りでは連絡通路の1階が大広間っぽい。手前の緑に覆われている平地は庭だったのかな。それにしても池の上に建物を建てるとは…。

3階 廊下

最後は3階です。

3階には客室が7室、男女トイレ、配膳室があるシンプルな構造をしています。入ってませんが配膳室にはおそらく1階の厨房から2階・3階に料理を運ぶ小型のエレベーターがあるっぽいです。他の旅館でも似たようなものを見ました。

3階は場所的に建物の最奥になりますが、見たところ廊下や天井などの年代は1階や2階と同一である様子。同じ時期に模様替えを行っていることが伺えました。

温泉

温泉旅館に泊まっているので散策後は温泉タイム。加登屋旅館の温泉に入れる時間は夜は23時くらいまでで朝は5時くらいからとなっており、入りたいときに入りに行けるといっても言い過ぎではありません。

温泉の特徴は以下の通りです。

  1. 温泉地名:羽根沢温泉
  2. 利用施設名:加登屋旅館
  3. 採水位置:分湯所在湯槽
  4. 泉質:含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉
  5. 泉温:源泉45.2℃、使用位置43.0℃
  6. 適応症:筋肉又は関節の慢性的な痛み又はこわばり、腰痛症、胃腸機能の低下、五十肩、打撲、捻挫等
温泉入口
脱衣所
脱衣所には洗面所もあります
特徴的な浴室の様子
中央の柱

加登屋旅館の温泉の最大の特徴は浴室の形状で、浴室全体が八角形をしている点がとても珍しいと思います。八角形のちょうど真ん中に浴室を支える柱があって、そこを通って浴室を二等分するように男湯・女湯を隔てる壁が設けられていました。なお手前側のタイルの壁はかなり年代物っぽい外観をしているのに対して、奥側のボードの壁は後付けされたもののようです。

八角形の中心部に洗い場、その外周に床、湯船と続き、一番外側に位置する二重窓の間にはちょっとした庭園が造られていました。外周部を囲むようにして温泉を巡らしているところにこだわりを感じる。また男湯・女湯両方の湯船が繋がっていることから温泉自体は共用のようです。

見ての通り浴室は全体的に硬質感・重厚感のある外観をしており、少しくらいのことではびくともしなさそうでなんか安心できる。

オーバーフロー

湯船には常に温泉がなみなみと注がれていて、オーバーフローして溢れた分は床にある排水溝に吸い込まれていってました。こういう風に動きのない風景の中に水の流れという「動」が含まれているところが個人的に好き。

沈没

さっそく温泉に沈没してみる。

この日は完全に夏日で泉温43℃の温泉に浸かるのは厳しそうと思いきや、体感ではそれほど熱く感じなかったため比較的長湯ができたと思います。暑がりの自分でも入れたので季節を問わずに夏場でもあまり問題ないと感じました。湯はアルカリ性でとてもヌルヌルしていて肌に良さそう。

湯船がかなり広いので大人数でも大丈夫だと思われ、ただ今回は自分と同じタイミングでもう一人が入りに来た程度でほぼ独泉状態でした。

温泉に入った後は玄関ロビーで寛いだり、部屋に戻って畳の上に突っ伏して寝たりして過ごす。

そういえば羽根沢温泉に近づくにつれてひぐらしの鳴き声が徐々に聞こえてきて、滞在中は夏の宿泊ということを印象づけられた。建物のすぐ裏側が山になっていることもあって自然の音がよく聞こえてきます。あと羽根沢温泉には遠方から日帰り湯に入りにくる人は少ないようで、つまり今の時間帯で羽根沢温泉にいるのはほぼ宿泊客のみ。車の音があんまりないことも気に入りました。

夕食~翌朝

夕食の時間は18:00 or 18:30から選ぶことができ、今回は18:00を選択。いつもの日常生活において夕食は18時に食べているので旅先でも18時を選ぶようにしています。

館内散策時に食事会場を特に見かけなかったため食事は部屋出しかと思いきや、102号室に泊まった場合は隣の103号室に準備してくれます。準備ができたら部屋まで呼びに来てくれるので自分は待っているだけでOK。

夕食の内容は焼きたての岩魚の塩焼き、揚げたての天ぷら、芋煮、馬刺し、さっぱりした酢の物、蕎麦、ご飯・お吸い物など山形県ならではの郷土料理が並びました。魚に肉に野菜に…と一通り揃っている上に味付けも良いためあっという間に完食してしまった。

103号室
夕食の内容

せっかくなので夕食のお供に山形の地酒・純米本辛口の魔斬(300ml)を注文。深みのある味と切れ味抜群のすっきりとした辛口の純米酒だそうで、当たり前かもしれないけど和食によく合いました。

個人的に旅先で食べたい料理はまさにこういう品。

自分は旅館の食事に高級さや豪華さは特に求めていなくて、自分がその県を訪問していることが深く実感できる地元の料理が揃っているのが求める条件の一つ。あと最近は量が多少あった方がいいと思い始めたのと、地酒をセットで楽しむことが増えました。そういう意味で加登屋旅館の食事はもうパーフェクト。実に幸せな時間だ。

夜の時間

夕食の時間を利用して部屋に布団を敷いてくれるため、食事から戻ったらそのまま横になって寝ることも可能です。自分は温泉に再度入って身体を温めた後、20:30頃に就寝。

翌朝は前日の快晴とは打って変わってバケツの水をひっくり返したような大雨で、屋根を伝って流れてくる水量がかなりのものになってました。突然の雨も夏の天気らしいといえば確かにそうだけど朝から降るのは勘弁してほしい。

朝食の内容

朝食の内容は鮭、温泉卵、筋子、アオサの味噌汁などしみじみとした味わい、だけどご飯のお供としては強力過ぎる品が並びます。旅館の朝食でご飯が進みすぎて昼食が不要になるケースが本当に多い。

朝食後はちょっと二度寝をしたくなったので布団に潜り込んだ後、さっきよりも雨脚が強くなった羽根沢温泉を出発しました。出発時には女将さんがわざわざ玄関先まで送りにきてくれたのがとても嬉しかったです。

おわりに

羽根沢温泉 加登屋旅館は温泉街で一番古い歴史を持ち、静かな環境下かつ昭和の名残を残す建物で今日も営業されています。羽根沢温泉の周りには交通量が多い道路がないためか周辺は静寂そのもの。日常の喧騒を忘れて滞在する温泉として心からおすすめできるところです。温泉の気持ちよさはもちろんのこと食事がとにかく美味しく、食べている最中・食べ終わった後に自然と笑顔になれるような素晴らしさがありました。

今度は寒い時期に泊まって、夏の時期との違いを体感してみたいと思っています。

おしまい。


本ブログ、tamaism.com にお越しいただきありがとうございます。主にロードバイク旅の行程や鄙びた旅館への宿泊記録を書いています。「役に立った」と思われましたら、ブックマーク・シェアをしていただければ嬉しいです。

過去に泊まった旅館の記事はこちらからどうぞ。

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