今回は、宮城県白石市にある鎌先温泉 最上屋旅館に泊まってきました。
白石市はかつて仙台伊達藩の南の要所として栄えた城下町であり、蔵王~白石周辺には魅力的な温泉が多く集まっていることから、お隣にある福島県と合わせて個人的に温泉目的で訪問する機会が多い場所です。鎌先温泉はスキーで有名な蔵王連峰の麓に位置し、少数の旅館が並ぶこじんまりとした温泉街。その開湯は約600年前の1428年まで遡り、この地の里人が草刈りの最中に鎌の先で温泉を掘り当てたことからこの名前がついています。
最上屋旅館は温泉街のほぼ中心にある木造3階建ての旅館で、寛政元年(1789年)創業という長い歴史を持ちます。外観の古風さもさることながら湯治場としての取り組みも昔から続けられており、屋内には共同の自炊場も整っているなど温泉文化を今に残す貴重な場所です。
本格的に冬に入って温泉が恋しくなりますが、木造建築という点に強く惹かれたことや、何よりも温泉が源泉かけ流しという点から今回宿泊を決めました。
外観
まずは外観から。
白石市街の西、県道254号から道を一本入ると共同の駐車場があり、車で訪れた場合はここに車を置く形になります。駐車場から西へ向けて歩いていくと目を引く木造建築の建物があり、ここが最上屋旅館でした。
横に長い統一感のある構造や威風堂々とした玄関の外観など、この時点ですでに宿泊を決めて良かったと思えたほどです。
実は最上屋旅館の建物は予想以上に広く、今目の前に見えている木造建築が全てではありません。
右側に繋がっている白い新しめな建物や、さらに温泉街の奥方向(左側)へと行ったところにも建物があるなど、ここに到着した時点ではその全容が把握できていませんでした。
まず正面に見えているのが本館で1階にロビーがあり、2階はすべて客室になっています。右側の白い建物もすべてが客室で、こちらは宿泊客数を増やすために後から増築されたことが窺えました。さらに建物としては左側の別館に続いており、別館には温泉のほかに自炊用の客室があります。
本館前の表通りを歩いて左側に向かうと、本館の中でも3階建てになっている部分が見えました。ここは1階が大広間で、2階と3階に客室が配置されています。
その本館部分からさらに左側、本館から2階渡り廊下を渡った先にあるのが別館で、本館と比較するとこじんまりとしています。階数は2階建てて、外観から確認する限り本館よりも年代が古い感じ。自炊用の客室はすべてこちらに集まっていることを踏まえると、あえて昔からの形のまま残してあるのでしょうか。
渡り廊下の下をくぐって奥に進むと途中で左に曲がる階段があり、ここから別館の様子をよく確認することができました。
別館1階のほぼ中央には男女別の温泉があり、そこを挟むようにして自炊用の客室があるようです。部屋数もかなり多く、その外側部分には欄干もそのまま残されているようで雰囲気が良さげです。
建物の外観から判断できる事項は少なくない中で、「温泉は別棟にある」「別棟の造りはとても古い」ことが分かって嬉しい気持ちになりました。旅館の一部分しか知らないまま宿泊を終えるよりは、多少なりとも全容を把握したい。
普通に本館に宿泊する分にはこっち側の屋外には訪れる機会がなく、温泉に行くにしても廊下を歩いて行くだけなので屋内の様子しか分かりません。最上屋旅館が持つ歴史、その一端を垣間見れたような気がして宿泊前から気分が向上してきた。
鎌先温泉街のほぼ最奥から最上屋旅館方面を見たのが上記のアングル。
周りの建物のほうが背が高いので圧倒されてしまいますが、最上屋旅館の本館と別館ともに通りに面しており存在感があることが分かります。
館内散策
本館玄関~1階
それでは館内へ。
最上屋旅館のチェックイン可能時間は14時からと比較的早く、つまりそれだけ館内でゆっくりしたり温泉で疲れを癒やしたりできる時間が長くとれるということ。今回は途中に用事もなく、早く旅館に泊まりたかったので14時ちょうどに到着しました。
最上屋旅館の玄関の様子。玄関と玄関土間の正面には2階への階段がありますが、動線が真正面ではなく左側向きとなっていて途中に踊り場がある構造です。
階段の前には木製の箪笥等が置かれており、飾られている小物類が目に入ってくるので気分が落ち着く。玄関周辺では構造を前面に押し出しているというよりも、端っこの方にさりげなく置かれているものが調和を保っているような気がして落ち着いた感じに整っています。
玄関土間を上がって左側が玄関ロビーで、玄関ロビーへと続く扉の向こう側に帳場があります。
玄関ロビーへの扉を通ると帳場に面したフロント部分があり、つまり帳場へは玄関及び玄関ロビーの2面からアクセスできるようになっています。
一般的に宿泊者は帳場で受付を済ませるとすぐに部屋へと行ってしまうので、玄関ロビーで過ごす意味はあまりないように思う人が多いと思いますが、後述する貸切湯の順番を待つ際などには玄関ロビーで過ごすのがおすすめです。また、単純に玄関ロビーには展示物が多いので見て回るだけでも楽しめました。
玄関ロビーは本館1階左側の大部分を占めるほどの面積があり、しかも表通りに面しているので光がよく入ってきて明るいです。
室内にはお土産品や展示物が所狭しと並んでいて、もちろんくつろげるように椅子や机も完備。自分としてはこういう空間で座って何かをするのが好きで、貸切湯を待つときなどには早めに行ってうとうとしてました。
玄関ロビーを後にし、さっき入ってきた玄関に戻ってきました。
玄関やや左側から建物奥側に続く廊下の先には壁をくり抜いたような形の通路が左側に続いており、客から見て真正面に見えるのは「最上屋」の文字。屋外の外壁に最上屋旅館という文字はすでに見えていたけど、中に入ってすぐに旅館名がさりげなく見えるのはなかなか考えられている。なお、厨房はその廊下奥のすぐ右側にあります。
この一角は玄関という限られた空間の中に1階奥側への動線と2階への階段を設置していることになり、それでいてそれらの配置にはスマートさが見えます。まず玄関土間から正面に廊下が続いていて、玄関ロビーへの扉と帳場は面一になっているので客側から見て凹凸が少なく、自然と奥に向かうことができる。2階への階段については踊り場で90°逆側に進んでいく形となっていて、階段の全容がすでに視認できているのでこれも不安なく上っていくことができる。
うまく言えませんが、玄関から館内の各所へ向かいやすいように建物が造られているのが伝わってきました。
最初の階段については、その奥側のスペースに棚やストーブが置かれていました。階段手前側に置かれていた箪笥のようにこちらにも小物が飾られていて、木材の色彩に彩りを加えていて鮮やかです。
そのまま厨房前を通って奥に進むと、大広間や2階への階段があります。こちらの本館左側の階段は正面と手前側の2箇所にあり、建築当時の設計思想が気になるところです。
2階廊下~客室
続いては、階段を上がって2階へ。
まずはこの階段ですが、ここが個人的に最上屋旅館の中で一番好きになった場所でした。
がっちりと木材が組み合わさった質実剛健な構造に加え、年代を感じさせる木材の色や艶のかかった感触などがいかにも木造旅館ならではのもの。上り下りしても軋むような感じはなく、昔から今に至るまで一体何人の宿泊者がここを通ったんだろうと思いを馳せざるをえません。
踊り場に到着した時点で後ろを振り返ってみると、少し高いところから帳場や玄関を一望することができます。特に朝方には方角的に玄関には朝日が差し込む形となり、その様子を上から見ると言いようのない美しさを感じました。
踊り場は1箇所しかないと思いきや実はすぐ横に2箇所目があり、1箇所目と2箇所目の間にはほんの数段だけ階段が設けられています。これによって階段全体が若干広い幅を持つことで、上り下り中に狭さや圧迫感を感じることはありませんでした。
このあたりは階段を設計した昔の人のこだわりによるのかな。隣接する手摺柱の長さが異なっているところなど、あえて数段設けることで一般的な階段との差異を生んでいます。
他にも最初の階段部分には壁が面していないのに対し、奥側の2階へ続く部分の階段は壁に面していて対比になっていたり、階段=3次元的に上の階に向かう用途という中に留まらない構造的な素敵さが垣間見えました。
階段を上がったところは少々広いスペースがあり、ここから本館の左右方向に廊下が通っています。つまり泊まることになる客室へ向かうにはこの階段を上らないと始まらないというわけで、最上屋旅館の顔とも言える存在ではないでしょうか。
で、2階へ上がってすぐの場所の意匠もまた見ごたえがあるもので、正面に見える壁は小窓と竹を組み合わせたものになっていました。しかもさっき上ってきた階段は木材の色そのものの濃い色だったのに対し、2階へ上がった瞬間にそれとは正反対の白を基調とした明るい色が目立ちます。色の対比という意味でも、階段付近は特に気に入りました。
2階の廊下は基本的に本館を横切るようにまっすぐ続いており、客室は廊下の左右に配置されています。
本館左側の一角には自炊室があって、当初はここで自炊ができるのか!?って思いましたが、落ち着いて見てみると従業員の方しか入れないようでした。そういえば夕食や朝食の時間帯付近にはここで何名か待機されていたので、ここを起点にして準備や片づけをされるようです。
すでに書いた通り自炊ができるのは別館の湯治棟で、本館は完全に朝夕付きの旅籠として切り分けられている形っぽい。
そのまま進んでいくと広めの洗面所があり、向こう側に見える階段の先には男女のトイレがありました。
なお、こちらの本館左側の客室のうちの1つは比較的人数が多い場合に案内されるようで、後述する平面図を見ると二間続きになっているのが確認できました。
その他、本館3階の廊下の雰囲気は上記の写真の通りです。
どこか突出して古い/新しい造りといったことはなく、本館については全体的に古い雰囲気を残しつつも必要なところは新しく修繕されているので、自分と同じような目的ならどこに泊まってもがっかりすることはないはず。
一見すると迷路のように通路が入り組んでいるように見えるもものの、実際には至って把握しやすい構造です。基本的に建物の端に階段があり、真ん中の方に通路が走っているという感じです。一部は階数こそ3階まであるものの、温泉へ入りに行ったり食事場所へ向かったりするのは楽です。
泊まった部屋
今回泊まったのは、本館2階の表通りに位置する五號室の部屋。広さは8畳あって、窓側に洗面所と広縁が付いています。
部屋番号に書かれている「号」が旧字体の「號」かと思いきや、普通では変換できない號の異体字でした。これも古いものをわざわざ残しているあたり、旅館の方針に好感が持てますね。
設備としてはエアコン、テレビ、金庫、洗面所、ポットがあり、さらに浴衣やタオル、バスタオル、歯ブラシ等も一通り揃っているので憂いはありません。この日は気温が相当低かったものの、エアコンだけで問題なく過ごすことができました。
この最上屋旅館に宿泊する前に旅館の外観の写真を見たところ、泊まるのなら表通りに面した部屋がいいな…それも木造の古い部屋がいいなと漠然と考えていましたが、運良くその両方が満たされて良かったです。
広さが8畳の部屋は本館左側面や本館右側の新しい棟にもある中で、ここに泊まれたのは本当に嬉しい。確かネット予約する際は旅籠「竹」とか「松」「梅」とかで分かれていて深く考えずに予約した覚えがあるので、当時の自分を褒めたい。
この部屋で一番特徴的だったのは入口部分で、廊下から客室への踏込部分が斜めになっていました。入り口や壁の位置などを考えると一般的な平行の形状にできそうですが、そうしなかった理由があるのだと思います。普通に過ごす分には全く問題ありません。
なお部屋の壁の薄さについては木造旅館らしく若干薄めなので、廊下からの振動や音、隣の客室の音はそこそこ聞こえます。特に夜中に温泉に行くときなどは留意したほうがいいです。
壁については新しめに修繕されているものの、室内に残されている意匠はどれも見ごたえがあって素敵です。木々の特徴をそのまま出した床の間の柱や天井の編込みなど、単純な木造建築というだけではなく職人の技術を感じさせるものばかり。
古い旅館を現代まで続けていく上でこれらの要素を保つのはなかなか難しい面がある中で、先に述べた湯治棟の造りや客室の意匠などを維持されているのは素直に凄いと思います。実際に自分がそういう点に惹かれているわけで、予想していた通りの景色が目の前にあって感動しました。
ここで最上屋旅館全体の平面図を見てみると、横方向に棟が連続する広い旅館だということが分かります。外観からある程度は察しがついていたものの、おそらく最初に建てられたであろう別館から本館、そして右側の新しい棟と、時代が経つにつれて規模が大きくなっていった様子がなんとなく分かりました。
個人的に意外だったのはほとんどの客室が8畳もしくは6畳である点で、大人数に対応した二間続きのような部屋はごく少数です。昔の温泉街といえば団体で訪れる客が大部分でしたが、近年になって方針を変えたのか、もしくは昔からずっとこの形で運営していたのか。鎌先温泉そのものがこじんまりとした山間の温泉なので、どちらかというと少人数で温泉を楽しみに来ている人が多かったのではと思います。
温泉
貸切湯 和光風呂
館内を歩き回ったところで、寒くなってきたので早速目当ての温泉へ。
最上屋旅館の温泉は時間で男女が切り替わる大浴場と、本館4階に位置する展望の貸切湯の2箇所があります。どちらも加水や循環を行わない源泉かけ流しで、鎌先温泉の鉄分と塩分を豊富に含んだ湯を最大限に満喫できる形。最上屋旅館では昔ながらの温泉のあり方にこだわっていると公式サイトにも記載されていたので、それが贅沢に湯を使用することに繋がっています。
大浴場だけでも満足できそうですが、今回はせっかくなので貸切湯の方にも入ることにしました。温泉の特徴は下記の通りです。
- 源泉温度: 36.1℃、使用位置54.8℃
- 泉質:ナトリウム-塩化物-硫酸塩泉 低張性中性温泉
- 効能:切り傷、冷え性、腰痛、疲労回復等
貸切湯を利用できるのはチェックイン時間の14:00~夜中21:00の間で、無料ではなく有料(30分2200円)です。利用する場合は帳場で予約をする必要があり、1組が入れるのは30分刻みであるため早いタイミングでないと希望していた時間帯が埋まってしまっているということも。なので、もし入りたいという場合は旅館への到着を早めにする必要があります。
貸切湯の鍵を帳場で受け取った後は、本館左側にある階段を上って3階に向かいます。
階段を上りきった先には「ゆ」と書かれた暖簾があり、そこをくぐってさらに階段を上って4階へ。4階にはどうやらこの貸切湯以外の部屋はないようで、このためだけに追加で建築されているようです。
入り口と脱衣所の様子。脱衣所内には洗面所もありますが、トイレはありません。
そしてこちらが貸切湯の様子です。
船の形を模した湯船には「奥州の薬湯」と呼ばれる茶色のにごり湯が音もなく静かに掛け流されており、ただそばで眺めているだけでも、その成分に由来する鉄の匂いが強く感じられました。個人的に温泉には詳しくないけど、透明なよりは濁っている方がなんか温泉としてのパワーが強そうな気がするし、加えてこの鉄分の匂い。入る前からその効能の高さが実感できる。
掛け流されていることもあって温度は比較的ぬるめですが、短時間でも身体を温める効果が高いのですぐに快適になれます。何よりもずっと入っていたくなるほど温泉と身体の親和性が強く、30分という入浴時間があっという間に感じられました。
大浴場 三宝の湯 & 東光の湯
大浴場については時間で男女が切り替わる形式で、24時間入ることができます。
渡り廊下を渡って本館から別館2階に移り、階段で1階に降りるとすぐに大浴場が並んでいます。
今回の宿泊では最初は右側が男性で、左側が女性でした。男女の別は21時に切り替わりますが、その時間にはもう寝ていたのでもう片方には翌朝入りに行きました。
大浴場の様子はこんな感じで、木材と石をうまく組み合わせた趣のあるデザインが特徴的でした。湯船は石でできているのに対して、壁や天井は板材を使用しています。石については身体への感触がよく、温泉内でだらだらと過ごすのにちょうどよかったです。
広さについては、洗い場や湯船を含めてそれほど広くはないです。特に東光の湯の方はたぶん4人くらいが最大で、混んでいるときは時間をずらしたほうがいいかもしれません。三宝の湯の方は湯船が広めでゆったりでき、温度は若干ぬるめでした。
いずれにしても、どの温泉に入っても最上屋旅館の温泉を満喫できることは間違いないです。今回の訪問タイミングは秋から冬へと季節が移り変わって最初の週という印象でしたが、身体の方はその急激な温度の変化に着いて行けていなかったのが、温泉に入ることで見事に順応できました。これからの気温は低くなる一方だし、温かさが持続する最上屋旅館の温泉は重宝すると思います。
夜の時間
そんな感じで温泉に何度か入りに行き、気がつけば夕食までもう少しという時間。ふと気になって、旅館周辺の夜の雰囲気を探しに行ってきました。
夜の時間の何が良いって、人がいるところに灯りが灯っているということ。
日中の時間は自然光がメインなので人工的な灯りは目立つことがなく、特に屋外ではそれが顕著になる。それに対して夜の時間は逆に人工的な灯りが支配的になって、そこには宿の経営や宿泊という形で、関係する人々の「今」の生活が確かに感じられる。人がいなかったらこんな風に明るくならないわけで、やはり自分は旅館における夜の時間が好き。
鎌先温泉は山の中にあり、この時間帯になると周囲に物音はほとんどありません。聞こえてくる音といえば旅館内で宿泊を楽しんでいる人が発する音くらいで、後は静まり返っている。そんな中で、音もなく浮かび上がっている提灯や電灯の光を見ると安心できます。
夕食~翌朝
夕食と朝食は泊まった部屋とは別の部屋に用意される形式で、時間になると係の方が部屋まで呼びに来てくれます。なお夕食時については夕食中に布団を敷いてくれるので、夕食後はそのまま横になることも可能。
飲み物については地酒やビールなど一通り揃っていますが、夕食時に同時に提供するためか訪問最初の部屋への案内時に注文を聞かれました。訪問前から何を注文するか予めしっかり決めておくほどの必要はないものの、夕食時に初めて注文する形ではない点にご注意ください。
夕食の内容は上記の通りで、その美味しさが少しでも写真で伝われば幸いです。料理としては天ぷらや煮物、お造りなど、いずれも宮城県産の食を活かしたもので酒が進みます。
旅として東北を訪れて一泊したときに感じることは、やはり白米が美味しいという点。東北というか寒い地域は日本酒が美味しいことが多く、つまり米の品質が優れているということなのでご飯が美味しいのも納得です。しかもおかずが強力すぎる品ばかりだし、これはおかわりしてしまうのも無理はない。
夕食後はまた温泉に入りに行き、時間を決めずに眠くなったら寝るという方針でいたら案の定すぐに眠くなりました。
温泉に入って体力を使い、夕食で食欲を満たしてから就寝する。個人的には毎日こういう生活を送りたい。
翌朝は自然に目が覚め、まず朝風呂に行って目を覚ましてから朝食をいただきました。朝食もまた白米の存在感が光っており、朝からこんなに食べていいのかというくらいに食欲が出たのは言うまでもないです。
なお、最上屋旅館では朝食中に布団が片付けられてしまうことはないので、朝食後に二度寝をすることも可能です。なんか今日は二度寝したい気分…と思って部屋に戻ったら布団がもうなかったという経験もありますが、寒い時期はいつまでも布団の中で寝ていたい気分になるのでこれは嬉しい。
結局チェックアウト時間まで昼寝をし、最上屋旅館を後にしました。
おわりに
最上屋旅館は鎌先温泉の中心部に位置し、今なお古い木造旅館を丁寧に維持されながら続けられている素敵な旅館です。
鎌先温泉自体が静かで余計な喧騒とは無縁で、かつ1階の階段をはじめとして木造旅館のぬくもりが随所に感じられる。温泉も効能が高く、これからの寒い季節には間違いなくおすすめできるところです。
一人用のプランも用意されているので、温泉旅館に泊まりたいけどなかなか一人で泊まれないと嘆いている方にも問題なし。建物、温泉、食事と、泊まる先で得られる要素のすべてに満足できた宿でした。
おしまい。
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