長門湯本温泉 利重旅館 大正創業 音信川沿いの高台に佇む木造3階建て旅館に泊まってきた

当サイトのリンクには広告が含まれています。

今回は、山口県長門市にある長門湯本温泉 利重旅館に泊まってきました。

(長門)湯本温泉は山口県最古の温泉であり、音信川という川の両岸に建物が建ち並んでいます。温泉街の近くにはJR長門湯本駅があるほか、山口県の日本海側で栄えている長門市街からも近くてアクセスは良好。実は長門湯本温泉は以前山口県を走ったときに通過しただけだったので、いつか宿泊してみたいと思っていました。

利重旅館はそんな長門湯本温泉の中でも中心部から少し離れた高台に位置しており、その創業は大正時代。

斜面に沿って建てられた木造3階建ての構造は遠くからでも存在感がありますが、当初は4部屋しかなかったのが増築に次ぐ増築によって現在の姿になったという経緯があります。今は年配の女将さんとご主人、それから少し若めの旦那さん?で運営されていて、当時は今日が初勤務ですという応援のおばちゃんもいました。

増築によって館内はかなり複雑な構造になっているほか、他ではあまり見たことがないような美味しい料理、それから何よりも気持ちのいい温泉が利重旅館の特徴です。今回の宿泊ではそれらの要素を存分に味わうことができました。

もくじ

外観

まずは外観から。

長門湯本温泉は国道316号沿いに大きな駐車場があり、車で訪れた場合はここに車を止めてから温泉街の方へ下る形になると思います。(川沿いの道は細く、車を止めるところが少ない)

利重旅館はその駐車場から川近くの共同浴場・恩湯へ続く竹林の階段の脇に位置していました。旅館の周囲に他の建物はなく、特に川方向からだとよく視認できます。

利重旅館 正面外観
竹林の階段方面からの角度
建物右側面
旅館前から温泉街方面を見る。左側の建物が恩湯。

利重旅館に到着していきなり「ここに泊まることを決めてよかった」というポイントがあって、明らかにインパクトのある特異な外観がそれです。

複数もの棟が合体している様子は大きな旅館ではよく見られるものの、利重旅館は壁や屋根の色・窓の配置といった各棟の外観が全く異なっている。建物の全体を見渡したときに感じる秘密基地感がものすごく、こういう複雑怪奇な構造は個人的に大好き。

いかにも後から増築を繰り返しましたという見た目をしているので、内部の構造が自然と気になります。何も知らないで長門湯本温泉を訪問したとしても、この外観を一度見てしまったら誰もが興味を惹かれると思う。

旅館全体が斜面の上に建っているために1階、2階、3階と上がるにつれてフロアの面積が徐々に増えていく構造をしており、つまり正面方向だけではなく奥行きもかなりあるということ。建物の前に立っているだけでも圧倒されたものの、この時点ではまだ旅館の全容が把握できていません。

玄関上の看板。昔の旅館名と思われる。

玄関は建物のちょうど真ん中にあって、建物全体の大きさからするとこじんまりとしています。

玄関の近くには歓迎の看板があるほか、「日本交通公社協定旅館」のマークが掲示されていたりしました。また、右側の木札には「風俗営業(料理屋」」という認可や「普通旅館 利重屋」と書かれています。

個人的に気になったのは、玄関上に飾られていた「◯雲亭(読めない)」の大きな看板。現在の経営者の名字が利重旅館なので、仮にこれが昔の旅館名だったとすれば、どこかのタイミングで現在の利重旅館の名前に改名したっぽいです。

館内散策

玄関~1階

続いては館内へ。

実は今回のライドでは長門湯本温泉を散策中に大雨になり、直撃は回避できたもののさっさと宿にチェックインしてしまいたい状況でした。なので、チェックイン可能時間の15時になってすぐの投宿となります。

ご対応してくださったのは若めの旦那さんで、これから続々とチェックインしてくる宿泊客のための部屋準備をされていました。この日はなんとほぼ満室らしく、有名な旅館であることが伺えます。


最初に利重旅館の構造について述べておくと、外観で感じた通りの「増築感」が随所で見られました。これは利重旅館を語る上で外せない要素であると自分は思っていて、増築によって完成された建物が持つ独特の雰囲気が居心地の良さを生み出していると思います。

旅館という存在は本当に千差万別で、そこで味わう一夜はその旅館特有のもの。利重旅館で感じたものは他の旅館では堪能できないものでした。

利重旅館の館内図

上に示したのが利重旅館の館内図で、上で述べた通りに1階から2階、3階に行くに従って徐々に面積が増えているのが分かると思います。

館内図を見た時点で増築されている部分が多いと理解できるのは、古い日本式の建物に見られる直線的な壁や廊下に加えて「斜め」の部分が多いということ。

元々想定していなかった場所に部屋を配置する必要があり、既存の廊下からなんとかして接続しようとするとこのように斜めになることが多いです(特に3階)。こういう風に部屋の配置とかを眺めるのが結構面白い。

玄関と帳場
一般的には、玄関左側にある青い階段を上って上階へ向かう
玄関正面の階段前から

というわけで、玄関内部の様子。

先程述べた通り、利重旅館は上の階に向かうにつれてフロアの面積が増えていきます。斜面の最下層に位置する1階のスペースはそれほど広くなく、あるのは玄関と帳場、厨房、それから食事会場のみというシンプルさ。

客室はすべて2階以上にあるので、宿泊客の動線は階段を上ることに一本化されています。平面方向への動線の選択肢が多いと迷いやすいので、この点は分かりやすいのがグッド。

ただ、今更ですが3階建てという構造になっているので上下方向への移動はそこそこ多いです。3階の客室も普通に現役で、今回も泊まっているグループがいました。足腰が悪い場合は2階への宿泊が可能か問い合わせてみるのをおすすめします。

玄関の向かって右側には靴箱が設けられており、その上方にあったのはなんとドラ。用がある場合はドラをたたいてくださいと書かれていて驚きました。

ご主人曰く今ではもう使ってないそうですが、アナログ的に来客を検知する方法としては「何かを叩く」のは最適だと思います。ドラの音なら遠くまで聞こえるし、広い館内においても有効ですね。

帳場前。JRの時間等が貼られていた。
玄関正面にも2階への階段がある。

玄関入って正面に帳場とその奥に厨房があり、厨房の手前には2階への細い階段があります。

利重旅館には建物正面に面した1階から3階まで通しで移動できる青い階段がありますが、2階へ行く分にはこちらの階段を使っても移動することができます。階段の急さや細さを見る限り、創業当初から残っている階段のようです。

食事会場

玄関向かって右側には食事会場があって、夕食や朝食はこちらで頂く形になります。

室内には古い写真やお札等の展示物が多く、あと食事をする場所が畳敷きというのも好きになりました。建物自体は古いけど食事場所は机と椅子という旅館が多い中で、利重旅館は古いままを保たれています。

2階階段~2階廊下

玄関から振り返り、続いては建物左方向に伸びる階段を上って2階方面へ。この階段は1階から3階まで連続して通っているのに加えて幅が広いので歩きやすく、基本的にはこの階段を使うことになります。

2階より上にはそれぞれの階の客室に加えて洗面所やトイレがあり、例えば洗面所を使うために他の階に移動する必要はありません。ただし温泉は2階にあるため、3階に泊まっている場合は入るときに2階へと下ることになります。

2階へ上がったところ
謎の箱。中には何も入っていなかった。

実を言うと、利重旅館で一番気に入った場所がこの青い階段です。

一言で言えば味があるということになるけど、最初からバシッと設計が完成されている建物には見られない、良い意味での「緩さ」が好きになった理由。

帳場の前から始まった階段は途中で右向きに折れ曲がっており、そこから先は建物の表側に沿って1階から3階へと繋がっている。階段の途中の壁には多くの窓が設けられているがその意匠は場所によって大きく差異があって、というか階段の天井も微妙に傾いていたりして継ぎ接ぎ感が感じられる。

あとは照明の配置だったり「非常口」の電灯だったり、最初だけ手すりがあったりと絶妙な統一感のなさ(褒めてる)がなんか微笑ましい。おそらくは2階以降を増築する際に玄関正面の階段だけだと通行が不便なので、大きい階段を後付けしたようです。

2階へ上がったところには休憩スペースがあり、漫画本などが置いてありました。

階段の右側に向かうと、建物正面側に沿った一直線の廊下があります。利重旅館の2階及び3階の床には基本的に絨毯が敷かれているので歩きやすく、同時に視認性がよくて便利。

2階の建物正面側の客室はその廊下の内側に配置され、つまり廊下には窓が設けられているので日当たりが良いです。廊下の突き当りにはトイレと洗面所があって、自分はここをよく使っていました。

廊下を歩いていく途中には「大浴場→」の案内が示されていて、案内に従って廊下を進んでいけば温泉に着きます。

廊下を曲がった先には階段と、その奥に客室が2つある。
玄関前に続く階段
廊下の窓

廊下を進んでいき、突き当りを左に曲がると今度は建物の左側面に面した廊下が奥まで続いています。つまり2階については建物の正面と左側面に廊下が通っており、いずれも客室は廊下の内側にあるという分かりやすい構造。

すでに述べたようにこれらの廊下には窓が設けられているので外の様子を確認しやすく、今回の場合だと投宿してからしばらくは夕立が降ったり止んだりしていました。そういう屋外の状況をチェックしやすい構造なのは便利だと思います。(逆に客室が外に面していると、その客室に入らないと外の様子が分からない)

曲がった先の廊下を少し歩いた先には左側に階段があって、これが玄関正面にあった細い階段です。今まで通ってきた青い階段を使うと少々回り込まないとここまで来れないのに対して、細い階段を使えばあっという間にショートカットできます。

客室の前を通る
突き当りに温泉入口
温泉横の洗面所

そのまま突き進んでいった最奥に温泉があります。あと横には洗面所もセットになっているので、水分の補給なんかはこの洗面所で可能です。

洗面所の反対側、ちょうど今通ってきた廊下を折り返した先には別の階段があり、3階へ向かうにはこの階段を使うことになります。3階に泊まっているときに温泉へ行く最短のルートです。

3階階段~3階廊下

建物正面側の青い階段まで一旦戻り、最後は3階へ。

木造3階建ての旅館でよくあるのが「3階はもう使っていない」というケースですが、利重旅館では3階のほとんどの部屋を現役で使用されています。この日も3階に泊まっているグループが確か3組ほどいて、特に夕方~夜中には廊下を歩き回る音が聞こえたりもしました。

現代においては木造3階建ては消防法の観点から一般的ではなく、管理されている方(女将さん等)の高齢化も相まって3階は物置になっているパターンが多いです。でも利重旅館では管理も行き届いている様子で、これについては単純に嬉しいですね。

床には絨毯が敷かれているのに対して、手すりは当時から変わっていない様子。
3階階段上から階下方面を眺める

3階への階段は途中で右側に円弧を描き、3階廊下になめらかに接続しています。

例えるなら1階帳場前と対比になっているような感じで、一つ一つの段差の形状を眺めていると芸術的で飽きることがない。階段のように上方向に変化しながら徐々に横を向く必要があるものを形作るのはかなり難しいような気がしますが、非常にうまいことできています。

あとは、3階へ上り始めるところの壁には元々あった窓がそのまま残されており、これは3階を増築する際に残したと思われます。窓としての用途がなくなったといっても撤去してしまうのはもったいないし、これはこれで良し。

廊下を進んでいくと左右に客室が配置されています。

3階の廊下の特徴は大きく分けると2つあって、まずは絨毯の色が今まで見てきた青色に加えて緑色になっているという点。建物正面側の廊下は青色ですが、奥まったところに向かうにつれて緑色に切り替わっています。

もう一つは、建物の外周ではなく内部に廊下が通っているということ。これによって廊下の内側ではなく両側に客室があり、窓がないので廊下自体がどこか薄暗く感じられました。2階から3階へ移動するとこの変化がよく実感でき、明らかに雰囲気が異なります。

建物の背面側まで到達すると再び廊下が外周側を通るようになり、窓も復活するので比較的明るいです。

建物奥側の階段を下ると温泉に行き着く。
3階階段から2階廊化へ

そのまま廊下を進むと左側に短い階段があり、ここを下ると2階の温泉や洗面所があった場所に行き着きました。

2階の廊下を直進した行き止まりがそのまま3階へのアクセス場所になっているというわけで、全体を通してみると2階と3階はそれぞれの廊下の始点と終点に階段があることになります。これは非常時の対応にも便利で、何か起きたら部屋の目の前の廊下を進んでいけば階下に下れるというわけ。

動線を複数確保しつつ安全に脱出できるように工夫されており、よく考えられているなと思いました。

泊まった部屋

今回泊まったのは、2階では一番奥に位置する「きく」の部屋です。広さは6畳あって、これはすぐ隣に位置するもう一つの客室と対になっているようでした。

この日は隣の部屋にも宿泊者が入る予定だったものの、急遽キャンセルになって空きができたという経緯があります。滞在中はそのぶん静かに過ごせた形になって、終わってみれば運が良かったのかもしれない。

客室の様子はこんな感じで、廊下の扉を開けたらすぐに部屋になっています。

広さは6畳と一般的ながらも床の間や押入れがあるほか、座椅子、鏡台、タオルハンガー及び衣桁が一通り揃っていて便利。広さに対してモノの割合が個人的にちょうどよく、ゴロゴロしていても狭さを感じることがありませんでした。

設備はエアコン、テレビ、ポットがあり、特にエアコンがあるのはこの時期にありがたい。

アメニティは浴衣、タオル、歯ブラシがあります。

バスタオルはありませんので、温泉に行く際にはタオルをバスタオル代わりに使いました。

個人的に惹かれたのが、廊下に面した壁の下部に設けられている小さい小窓です。

宿泊者と同じくらいの目線の高さに窓をつくってしまうと廊下からの目線が気になるため、換気用の窓はこのように目立たない下部につくられていることが多いです。その小窓は見ての通りガラス窓になっているのですが、磨りガラスや木枠の意匠が4面すべてで異なっていました。

用途だけを考えるのならすべて同じ意匠にすることもできたところ、それだと味気ないので凝ったのかもしれません。当時の設計者の考えに感服。


以上が、利重旅館の館内の全てです。

今回は一番早い時間に旅館に投宿し、一足先に温泉に入った後は部屋でまったりと過ごしていました。そうこうしているうちに他の宿泊者が続々と到着して館内が徐々に賑やかになってきて、グループによっては一般的な夕食の時間(18時~)以降に到着したりと慌ただしい時間帯だったと思います。

夕立

あとは、投宿してから夜になるまでたびたび夕立が降ってきたこと。

夕立の存在自体が夏の訪れを思わせるものに他ならず、そういう意味では遭遇すると夏感を感じられる。でもロードバイク旅だと夕立は結構天敵だったりして、今日は間一髪で逃れることができました。

天候が大きく崩れることがない他の季節ならともかく、夏場は早めに宿に到着しておくに越したことはない。

温泉

館内を散策したところで、温泉に泊まっているので早速温泉へ。

利重旅館の温泉は2階に内湯が一箇所あり、空いていれば男女問わず入れるという家族風呂形式です。時間は夜が23:00までで、朝は6:30から。家族風呂形式である都合上、宿泊者が多い場合は空くまでに時間を要することが考えられるので、何時くらいに入るというよりは空いていたら入るくらいがいいかもしれません。

温泉の詳細は以下のとおりです。

  1. 源泉名:長門市3号泉(湯本温泉混合泉)
  2. 泉質名:アルカリ性単純温泉
  3. 源泉温度:38.2℃(使用位置41.0℃)
  4. 温泉の性状:無色透明、無味、微硫化水素臭
  5. pH値:9.66
  6. 適応症:神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、肩こり等

加温はしていますが加水はしておらず、贅沢な源泉かけ流しの温泉です。

温泉に入る場合は入口の札をひっくり返し、「男性入浴中」「女性入浴中」のいずれかの木札を掲げるようになっています。

脱衣所
浴室

脱衣所と浴室はともに広く、浴室についてはレンガ造りの床や石垣が一部見える奥側の壁、それに植物が植えられていて庭のようになっていたりと変化に富んだ内装をしていました。モノを少なめにするのが現代風の風呂だとすれば、利重旅館の温泉は真反対の性格を持つといえます。

床については浴室の床が赤いレンガなのに対して湯船は落ち着きのある水色のタイル敷きで、色彩的にも工夫しているのが見て取れます。

自分一人で温泉を専有できる状況下で入れる温泉。あまりにも最高すぎる。

温度の方は個人的に熱いと感じる一歩手前くらいの絶妙な加減で、この時期でもまあ長湯できるかなという感じでした。

微妙にぬめりを感じるアルカリ性単純温泉に入っていると今日一日の疲れが溶け出していくようで、やはり日中に運動するのなら夜は温泉に入るのがベストだと思います。夏場に温泉を組み合わせるのは少々難しい面もあるけど、長門湯本温泉の場合は杞憂に終わりました。

夕食~翌朝

部屋で昼寝していたら夕食の時間になったので、1階の食事会場へ。

食事会場は狭すぎず広すぎずのちょうどいい感じの広さがあり、今回は一度に4組が食事をとる形でした。

夕食の内容
柳川うなぎ
刺し身。左の赤いのはサザエです。
天ぷら
豚の角煮
ふぐ!

私が利重旅館で驚いたことの一つが、この夕食の内容です。
おそらく一般的に想像するような「旅館の食事」とは少し異なる特別な内容だったのがその理由で、とても印象に残りました。

まずメインとなる「固形燃料で焼く系」の料理は、柳川うなぎの卵とじ。
まさかのうなぎが登場してきてびっくりしました。うなぎの味付けと卵のマッチ感が絶妙で、これだけでご飯二杯くらいいけるくらいの美味しさ。個人的に旅館の食事でうなぎが出てきたのは初めてです。

他にもクラゲやつぼ焼き、茶碗蒸し、もずく、豚の角煮、天ぷら(+お吸い物、ご飯)とおかず類がとにかく強く、ご飯をおかわりしたと思ったらすぐに空になってしまって当然というほかない。

極めつけは本場・山口県ならではのふぐの刺身。あっさりとしたふぐの味わいを堪能できたのは本当に嬉しく、ポン酢をほんの少しつけていただくともう堪えられません。


例えば山の中の旅館なら山や川の幸、海に近い旅館なら海の幸という風に夕食の内容についてはある程度の予想ができるものの、利重旅館の場合は予想を完全に上回っていたというのが正直なところ。

静かに過ごすことができる温泉に加えて食事も美味しいとなれば、一夜の宿としてこれ以上ない感じ。これは素敵な旅館をまた見つけてしまったな…。

夕食の後はちょっと温泉街を散策してみようという気になったので、サンダルに履き替えて夜の町へと繰り出していきました。なお夕食の時間を利用して各部屋の布団を敷いてくれるので、そのまま部屋に戻れば寝ることも可能です。

うだるような暑さだった日中から夕方、そして夜へと移り変わるに連れて気温は落ち着いてきました。夕方になると周囲にはひぐらしの鳴き声が聞こえてきて、ああこれぞ夏だなって感じでとても良い。

夏の風物詩といえばひぐらしに限らずセミの鳴き声ですが、日本には山が多いので割りとそこかしこで味わえるのが好きです。山がない環境ってそんなになくて、夏になればどこでも聞こえてくるというか。

夕食後の時間帯は他の旅館の宿泊客の姿を多く見かけて、これも夏ならではの風景ですね。冬の夜の温泉街を出歩いている人はいないので。

旅館へ帰還後は再度温泉に入りに行き、就寝。エアコンが効いた室内で横になっていると自動的に眠くなってくる。

しかし、旅館到着から館内散策、温泉、夕食という流れは本当に体感時間が短いです。もう気がついたら寝る時間になっていて、つまりそれだけ旅館での滞在が濃いものになっているということ。今後も自分が好きになるタイプの宿に泊まって精神を回復させていきたい。

翌朝は早めに目が覚め、階下へ降りての朝食となりました。

朝食の内容

朝食の内容なこんな感じで、冷奴やメザシ、温泉卵などが並んでいます。

夏バテ防止のために夏こそ栄養をしっかり摂る必要がある中で、利重旅館の朝食は朝から食欲が湧いてくる素敵なもの。ごはんを二杯おかわりして元気が出ました。

夕立がひどかった昨日の天気から一転し、この日は朝から快晴の様子です。

今日ははるか東にある集落の旅館に向かう行程で、気温が上がる前の静かな温泉街を横目に見ながらの出発となりました。

おわりに

利重旅館はその魅力ある内部構造を土台に、大きく近代化されていない素朴な造りが特徴的な旅館です。

良い意味で古いままの状態を保たれているので、現代的な宿を望む人にとっては選択肢から外れるかもしれない。でも女将さんやご主人の真心のある接客や美味しい食事、そして力を抜いて過ごせる落ち着いた部屋等が魅力です。

長門湯本温泉そのものが比較的人通りの少ない温泉街なので、賑やかさとは対極にある静かな雰囲気を求めている人にとっては堪らないはず。宿泊料金も手頃だし、どこかほっとするような温かさがある旅館でした。

おしまい。


本ブログ、tamaism.com にお越しいただきありがとうございます。主にロードバイク旅の行程や鄙びた旅館への宿泊記録を書いています。「役に立った」と思われましたら、ブックマーク・シェアをしていただければ嬉しいです。

過去に泊まった旅館の記事はこちらからどうぞ。

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

もくじ