【えびの高原~霧島温泉郷~肥薩線矢岳駅~人吉~八代】ロードバイクで霧島連山とJR肥薩線 山線の沿線を巡ってきた

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今回は、友人と一緒にロードバイクで九州を走ってきました。

冬場といえば気温が低くて屋外に出るだけでも億劫になってしまって、そんな中でわざわざロードバイクに乗ろうなんてのは一般的ではないのは確か。でも冬って空気が澄んでいるし温泉は気持ちいいしで、行程を選べば他の季節以上に満足度が高くなるのは間違いないです。

何よりも優先順位が高いのはやっぱり温泉で、気温が低ければ低いほど温泉の気持ちよさは増す。ましてや屋外で活動してからの熱い湯は身体が大喜びするはずなので、これを軸に走る場所を決めるのがベスト。

今回はそんな思惑もあって、以下の行程で走ることに決めました。

  1. 日目:鹿児島~えびの高原~霧島湯之谷山荘
  2. 日目:霧島~湧水町~えびの市~人吉旅館
  3. 日目:人吉~球磨村~八代

例によって宿の予約などを行ったのは数ヶ月前だったものの、想像以上に当日の天気が良かったので何よりです。

もくじ

霧島連山ヒルクライム

そんなわけで当日。

飛行機に乗って鹿児島空港に降り立ち、ここで合流して準備をします。まずは今日が晴れてくれて何よりといったところで、今日は結構がっつりヒルクライムをするので天候が良いに越したことはない。

鹿児島空港には作業スペースがあるので輪行解除も楽

鹿児島空港周辺は空まで抜けるようなド快晴。こんな天気の日には外出しないともったいない。

1日目のルートは空港から国道223号を北上して霧島温泉郷へと至り、さらに県道1号線(えびのスカイライン)を上ってえびの高原で小休止。景色を満喫した後は、走ってきた道を下って霧島湯之谷山荘で宿泊といった流れです。

最初に県道56号を少し下る以外はほぼ全てが上り一辺倒なヒルクライムルートだったので、今日はちょっと気温が低くて寒そうだな…って思っていたのがアホみたいでした。すぐに暑くなるので、寒さはここにはありません。
逆に言うと、冬場ほどヒルクライムに向いている時期は他にはないです。走っているだけで自然と身体が温まってきて、これ以上ないほど省エネな暖房代わりになってくれる。

上りに上って、あっという間に霧島温泉郷に到着。

山の方に向かっているということは自然と人工物が減る方向になっていくというわけで、進むにつれて吸い込む空気がどんどん美味しくなってくるのが実感できる。ベタつかない乾燥した空気はその透明度をより感じさせ、そうそう自分が冬を好きな理由はこれだった、と思いながら上ってたらいつの間にか着いてました。

国道223号が霧島神宮方面へ曲がる周辺がちょうど霧島温泉郷の中心部で、ここには宿泊施設や飲食店が多く集まっています。時間的にもここで昼食をとるのがいいという話になり、霧島温泉市場というところに立ち寄りました。

この国道223号ルート、当初は単純に目的地までの最短経路を選んだだけだったのが予想以上に良い。

最初の方ははるか遠くに霧島山が見える程度で、温泉の存在すらもまだ感じられませんでした。しかし上り坂をひたすら上り続けていると、知らず知らずのうちに温泉街の中心部に到着してたんです。しかも周りまで「山!」って感じの景色になっているし、ここが温泉地であることを表す噴煙も目に入ってくる。

目的となる場所を視認してからが長いと結構ダレるし、精神的な疲労も溜まってくるもの。時間の経過を感じさせずに気がついたら到着しているのは、個人的に好きになる地形でした。

昼食に選んだのは、鹿児島県といえばこれ!という黒豚のトンカツ。

とても肉が柔らかくてご飯が無限に進む。ここまで上ってきた体力の消費が一瞬で補給されるような、満足感が残る素晴らしいトンカツでした。
その土地を訪れた際には有名なものを食べるのが趣味だけど、九州はどちらかというと肉が有名な県が多いので個人的に好きです。疲れたときの肉は幸せ感がヤバい。

冬のえびの高原へ

休憩を終え、続いては霧島温泉郷からえびの高原までのヒルクライム。

この区間で特に辛いのは県道104号への分岐までで、そこまではだいたい斜度10%、たまに斜度15%が登場してきます。ただ交通量も露骨に減っているので結構走りやすく、標高が高くなってきているので熱くなった身体がスッと冷えていくような、なんか心地よくなる感覚もある。なので体感的な疲れはそこまでありません。

温泉の煙が視界を遮る
道路脇もこの通り

国道から県道に入ってすぐのところや、硫黄谷噴気地帯公園の近くでは温泉による大規模な白煙を見ることができます。加えて屋外とはいえ硫黄臭もあって、自分が火山地帯を走っているという実感が湧く。

活火山とはいっても単なる山の風景…というよりは、形はどうあれ活動の様子が目に見えているのはいいですね。動きのない山の中にあって、ここだけ地球が息づいているような。そんな感じ。

気持ちの良い緑の中を走る

分岐まで上ってきて、ここでヒルクライムの核心部は終了。あとはえびの高原までなだらかな坂が続きます。

途中の道端にはバス停があって、これは何かと見るとどうやら火山池である大浪池までの登山口らしいです。そういえば以前、夏の韓国岳登山のときに見た大きな池はこれだったな。

えびの高原
バックには韓国岳

後はゆるゆる走ってえびの高原(標高約1200m)に到着。これまた気が付かなかったものの、鹿児島県から宮崎県に移動してました。

分岐から先は標高的にはすでにかなりの高さまで上っていたものの、鹿児島方面への展望がいいというよりはあくまで高地にいるという雰囲気。道の両側は鬱蒼としています。
そんな風景がえびの高原に来ると一変して、目の前には巨大な霧島山と見渡す限りの平原。途中で溜めに溜めてサビに入る曲と同じように、ここまで来て初めてこんなに迫力のある霧島山を拝むことができます。今までの坂道はすべてこの景色のためにあった。

えびの高原(霧島ジオパーク)には霧島山の韓国岳などへの登山口や自由散策路などがあり、登山のほかにもウォーキングや散歩に最適な環境です。前回訪れた夏場のハイシーズンは韓国岳登山客で賑わっていましたが、この時期でも登山をする人は非常に多い様子でした。

韓国岳は割りとお手軽に登れる割には、景色の良さが限界突破しているのでおすすめです。ガチガチの登山装備じゃなくてもスニーカーで十分。▶【日帰り登山】霧島山最高峰 韓国岳に登ってきた【霧島温泉】

記念撮影
火山の噴煙

さっきまでの森の中が嘘みたいな広々とした高原に、斜め上方にはわずかに冠雪した霧島山。そして傍らには静かに立ち上る火山の噴煙と、そしてそれらを明るく照らしてくれる100点満点の青空。

完璧だ。これ以上何も望むものはない。

えびのスカイライン自体はこの先も宮崎県の生駒高原方面、つまり霧島山を挟んで反対側へと下っていっているのですが、実は現時点で自転車が通れるのはえびの高原までとなっています。

すぐそこにある硫黄山(標高1317m)という山の噴火警戒レベルが2018年に「2」に引き上げられて以降は全面通行止めが続いていて、最近になって火山活動が安定していることから土日限定で通行止めが解除されました。ただし通行できるのは屋根付きの自動車のみで、歩行者、自転車、バイク、オープンカー等は通れません。(あと駐停車禁止、車両からの乗り降り禁止)。

火山が今後も大人しくしていてくれたら、いずれ全行程を通しで走れるようになるかもしれません。

快晴の霧島山という絶景を満喫した後は、屋内に入ってホットラテで休憩。温かな飲み物が身体中にしみる。

ここまで上ってくる道中では身体は十分に火照ったものの、立ち止まるとその瞬間から寒くなるのでその対策が必要となります。幸いにもえびの高原周辺には飲食店や足湯があるので、その心配はありませんでした。

霧島山の秘湯、霧島湯之谷山荘での一夜

休憩しているうちに火が徐々に傾いてきて、普段ならそろそろ下山して宿泊施設に向かう時間帯。ただ今回の宿はその下山度が比較的低く、ちょうど中腹あたりに位置しています。個人的には完全な山の麓か山頂周辺でしか宿泊したことがなかったので、真ん中らへんというのは珍しい。

上りの時間に対して下りは結構一瞬でした。今日の目的地まであとは下りのみという精神的余裕もあるし、その日の宿までの道筋はこれからも余裕をもって見ておきたい。

見慣れた風景を横目に見つつ県道1号から国道223号へと入り、少し行ったところを川の上流方面に進んだ場所にあるのが今日の宿「霧島湯之谷山荘」です。

この国道223号、特に霧島温泉郷から霧島神宮との間は道の狭さに比べて交通量が多いのに対し、この横道の先には山荘しかありません。まさに一軒宿というロケーションで、国道の賑やかさを味わっているぶんその秘湯度も増す。

宿までは若干の上り
道は結構狭い

というわけで、ヒルクライム&ダウンヒルの末に宿に着きました。霧島湯之谷山荘の宿泊記録は別記事でまとめています。

この宿は温泉のインパクトが本当に強く、性質が全く異なる温冷の交互浴によって肉体のみでなく脳内的にもリラックスできました。一つの施設内でこれほど効力のある複数の温泉に入れるのは貴重だし、温泉好きが鹿児島に行きたがる理由もよく理解できる。
なんたって現役?の火山が目と鼻の先に存在しているわけで、その恩恵を十分に受けた温泉が平凡なわけはない。食事についても食材の良さに丁寧な調理が加わって、良い時間を過ごせました。

今日の行程を振り返ってみると、とにかく鹿児島県らしさを体感できたような気がする。

まず到着した鹿児島空港が十三塚原というシラス台地に建っていて、そこから北へ進めばもうそこは霧島山の領域。曲がりくねった道は火山による起伏のある地形だし、昼食は鹿児島県の黒豚。そして火山を間近で見ることができるえびの高原に行き、最後は火山と密接な関係がある霧島の温泉に宿泊する。
衣食住じゃないけど、食住+温泉がその土地の要素で占められているのは予想以上に素敵だ。これからもこういう行程を積極的に組んでいきたい。

肥薩線「山線」の今を眺めに

翌日。

今日は今いる霧島から標高を下げて国道268号に至り、そのまま北上してえびの市へ突入、後は山越えをして人吉まで下りて一泊という流れです。上りは最後だけで、他は平坦か下りという比較的楽な道のり。


ただその道中では一応目的があって、それは今はもう休業状態になっているJR肥薩線の吉松~人吉間、通称「山線」の道程を巡っていくこと。

これを今回の旅に盛り込んだ理由は、昨年の夏に同じく肥薩線の八代~人吉間、通称「川線」を巡るライドをしたことがあって、その時に山線の方も走ってみたいと思ったからです。結局は今回の行程の3日目(つまり明日)に人吉から八代に向けて走っていくことになって、つまり肥薩線で不通になっている区間を全て巡った形になりました。

今更説明するまでもないですが、これらの区間は熊本豪雨によって大きな損害を被ったことから、完全な廃線には至っていないまでも運行が全面的に休止されています。将来的にどうなるかはまだ分からないけど、こういう形で沿線を走るのは今でないとできそうにない。

何よりも肥薩線の「今」を見たくて、計画を立てる段階で一緒に走る友人に進言しました。

朝早い温泉街は人もまだ少なく、青空も見えているしでとても開放感がある。

例えば日帰りでその土地に降り立ってライドスタート、というスタイルでも旅情は感じられるけど、一泊してからのライドだとまた違った見方ができます。昼間だけでなく夜や朝。そういう時間を過ごした後に去る形だと、ただ単純に昼間だけ訪れるのと比べて寂しさも増える。

結局のところ、自分は見知らぬ土地で宿泊するのが好きだだけなのかもしれない。ロードバイク同伴というのはあくまで補助要素に過ぎなくて、普段とは毛色が異なる場所で過ごす時間を最大限にするのが、私が満足できる行程なんだと思う。

線路跡

下り基調で脚が休まるダウンヒルを抜けた後は国道に合流し、そこからえびの市へ入って県道408号を上っていきました。
湧水町ではこの日の主目的である肥薩線の線路がいきなり登場してきて、ここから人吉に入るまでは肥薩線の存在と共に走っていくことになる。

えびの市から人吉へ抜ける道は2つあって、一つは道が大きくて両方の山裾にループ橋が存在する国道221号、もう一つは肥薩線が道の近くを走っている県道408号です。今回はもちろん後者を選択しましたが、獲得標高的にはこっちの方が大きいのでヒルクライム成分もばっちり堪能できました。

県道408号は道幅こそ狭いですが交通量が少なく、景色もいいのでロードバイクで走るにはおすすめです。

そして峠を過ぎて宮崎県から熊本県に入り、ちょっとした下りを味わった後に登場したのがこの踏切でした。

実は上り始め時点、駅でいうと京町温泉駅から先の行程では線路が一時的に遠くに行ってしまっていたのが、ここにきて道と線路が再度寄り添うようになります。ただそこに電車の存在はなく、こうしていつまで待っていても踏切は鳴ることがないまま。

踏切の両側の線路の様子はご覧の通りで、すすきが大量に生えていて線路がほぼ見えなくなっています。当初は被害が大きいのはあくまで川線で、山線の方は予算が付けば比較的早く運行再開できそうだと思ってましたが、これはちょっと厳しそうかもしれない。

一番訪れたかった「矢岳駅」
駅前の様子

そんな踏切の近くにあるのが、今回の行程で特に印象に残った矢岳駅です。

ここは「山線」が通る険しい山間部の中にぽつんと存在する、いわば秘境駅に属する駅。明治時代に建てられたその駅舎は木造の平屋建てで、大きな改修もなく現在まで残っている貴重な場所です。

その立地から肥薩線の中では最も標高が高く、約537mあるそうです。過去には林業の影響で周辺も含めて栄えていたようで、駅の用途は人員輸送に加えて木材の輸送が大部分を占めていました。

ただそれも昔の話で、今では駅前には民家が少し集まっているのみ。他は田畑があるくらいで閑散としています。路線も運休状態だしで、駅には人の気配はないだろう。訪れるまではそう思ってました…。

駅舎内部

しかし、実際に訪れてみてびっくり。なんと駅舎には灯りが灯っています
しかも入り口だけではなく屋内も電灯がオンになっていて、訪れる人のために周辺地域の方が点けられているのは間違いない。ほんのりとした柔らかな灯りに心がほっとします。

肥薩線に関しては寂しい気持ちしか持っていない状態で訪問したのが、到着した途端に温かい感情がやってきてくれた。物音が何もない空間ではあるものの、電灯一つで人の存在、地域の存在を実感できる。今日、ここを訪問して本当に良かった。

駅舎の中には椅子や机などはありませんが、過去に切符を販売していたと思われる窓口がそのまま残っています。矢岳駅が無人駅になったのは1986年(昭和61年)と記録にあり、これらの設備はそれより前のもの。

窓口の周辺はすべて木造で、切符と料金のやり取りを行う小窓もそのままのような雰囲気。この駅を舞台にして、幾多の乗客の乗降があったのかと思うと心が揺さぶられてしまった。

ホームの様子はこんな感じで、単式ホーム1線のみとなっていました。

ホーム側の外観は特に美しくて、しっかりとした壁、柱、そして堂々とした「やたけ」の駅名表示など、今すぐにでも電車がホームに滑り込んできそうな様子があるように見える。しかしホームの先は草が鬱蒼としていて、まさに駅舎とそれ以外で全く別の世界になっています。

ただ、自分としてはそれほど暗い感情にはなりませんでした。
運行が休止していてもこうして地域の方に支えられていて、電灯のオンオフだけでなくて駅舎周辺は綺麗に清掃されている。この風景を見れただけで満足です。

D51の実物
なんと今日の日付になっている

駅舎の右奥には大きな車庫があり、ここにはSL展示館として蒸気機関車D51の170が展示されていました。なお昔は170と並んで58654が展示されていましたが、58654は後にSL人吉として現役復帰することになります。

目の前にあるSLの現物はインパクトが非常に大きく、黒くて大きくてメカメカしいという男が喜びそうな要素が非常に多い。よく分からないけど、特に車輪周りのピストンとかアームの構造は永遠に見ていられる。

そしてまたしても驚くことがあって、SLの横においてある記念撮影用のパネル。なんとこの日付が今日のものになっていました。駅舎の電灯といい、つまり毎日ここを訪れて整備をされている方がいるということ。
時代が変わったとしても、電車の運行が止まったとしても変わらないものもある。そういう形のない優しさ、温かさを感じることができて幸せな気分になりました。

人吉での宿泊

今我々がいるところが今日の行程で一番高いところなので、後は順当に人吉まで下っていけば今日の行程は終わりです。

しかし矢岳駅を散策している間に実は雨雲がやってきており、ちょうど駅を出発するくらいで雨模様に。こうなることは予め天気予報で分かっていたので特に問題なく、レインウェアを来て山道を下って人吉まで向かいました。国道267号に合流すれば道幅も大きくなって、今日の宿である人吉旅館まではもう間もない。

人吉旅館の宿泊記事は、別記事でまとめています。

人吉旅館は先の豪雨災害から復興された旅館で、国の登録有形文化財にも指定された歴史ある老舗の旅館。人吉温泉の特徴である弱アルカリ性の熱めのお湯が雨ライド後には最高に気持ちよく、設備が充実した客室でゆっくり寝られたので気分転換できました。

肥薩線「川線」の変貌を見る

で、翌朝。

雨の方は夜中のうちに止んでくれて、出発時点では青空が見れるくらいに天候は回復してくれました。今日は球磨川の流れに沿って人吉から八代に走って帰路につくため、行程としてはそんなに長くないです。上るような箇所も特になく、球磨川の夏と冬の雰囲気の違いを楽しみたいといったところ。

メインとなる国道219号は交通量が非常に多く、しかもダンプやトラックがひっきりなしに走っていて大変なので今回も県道ルートを選択。県道は信号が皆無でとっても楽です(すでに体験済み)。

旅館を後にし、まだ道路に降雨の跡が残る中を走っていく。ただ降雨のおかげで朝の気温はそこまで低くなく、結構快適な滑り出しになってくれました。

昨日雨が降り出したときには一体どうなるかと思ったけど、終わりよければすべてよし。最終日の今日がこれだけいい天気なので、天候については特に言うことないです。

第二球磨川橋梁
一勝地

第二球磨川橋梁周辺で国道から県道に移り、山間部の合間を縫うように走っている球磨川を横目に見ながらのライドが続いていく。

今日は一応平日なんだけど、県道の方もダンプやトラックがかなり走っていて、こっちは道が狭いのでいきなり遭遇すると心臓に悪い。てっきり復旧工事がメインで行われているのは国道だけだと思ってました。

八代までは後ろを走り、先行して走っている様子を背後から撮影してばかりでした。せっかく複数人で走っているのだから、同行者を撮影しないのはもったいない。

県道は基本的に球磨川と並行して存在している道路で、一部ではこんな風に肥薩線のトンネルを車道に改築した道が登場してきます。昔は線路が通っていたその上を走れるのは体験としてとても貴重で、肥薩線のように歴史がある路線だとなおさら感慨深い。うまいこと考えたなと思います。

行政側は細い県道よりはトンネルを再利用した方が良いと判断しているっぽく、ロードバイク乗りとしてはレアすぎる道を走れるのでこれはこれで良い。ただ前回の訪問時からは状況がかなり変わっていて、今までは問題なく県道を通行できた区間も道自体が線路側にシフトしていたり、アスファルトが新しくなっていたりしました。

走っている道そのものは前と同じだけど、たった半年程度でシチュエーションがかなり様変わりしているのが実感できる。というかそもそも訪問している季節が異なっていることもあって、全く新規の道を走っているような感覚になりました。

どの季節だろうが、球磨川の美しさは変わらない
崩壊した県道
橋を直している

前回の夏のライドからも復旧工事が続いていることはもちろん知っていたものの、正直に言うと県道の方は後回しというか、国道の方を全面的に直すのが工事の主目的だと思っていた感はあります。しかし現実にはそうではなく、線路がまだそのまま残されているような箇所はもうほとんど見られません。

体感的には前回「川線」の区間は7割くらいは線路が残っていたのが、今回はもう1割もない感じ。かつて線路があったところは平地になっていたり、新たに道が敷設され始めているような箇所ばかりです。

つまり、少なくとも「川線」については復旧を断念し、その跡地をせめて車道に転用しようという方針のようでした。これについては前々からうっすらと感じてはいたものの、こうして肥薩線の痕跡が撤去されているのを目の当たりにすると、どこか悲しくなってしまう。仕方ないけど。
(前回感動した海路駅などは、もう跡形もありません)

ボリュームたっぷりのカツサンドを注文

最後は、前回訪問して個人的なお気に入りとなった八代駅前の喫茶店「ミック」で昼食にしました。

カツサンドを頬張ってホットコーヒーで一息ついていると、今回の旅がもう終わってしまうことに気がつく。思い返してみれば鹿児島から出発して、山、温泉、そして川という流れで九州の自然を満喫できた気がします。長いようで、とても短い3日間だった。

旅が終わってしまうのはいつだって悲しいけど、終わり頃になって楽しかった思い出が湧き出てくるのは満足のいくものだったということ。次の旅の計画を練りつつ、お互いに帰路へつきました。

おわりに

鹿児島~宮崎~熊本の内陸部を中心に、どちらかというと宿泊メインで宿を選んでロードバイクで移動するという旅を今回はやりました。泊まった宿は両方とも居心地が良い素敵なところで、しかも温泉が有名と良いことづくめ。日中は寒い思いをして、夜は温泉で温まるという冬にふさわしい行程になったかと思います。

旅の中では寂しい気持ちになるスポットもあったけど、長い目で見るとこのとき行ってよかったと思えるときが必ず来る。今後も出会う先々で思ったことや、そこで得た感情を大事に胸にしまっていきたいと思います。

おしまい。


本ブログ、tamaism.com にお越しいただきありがとうございます。主にロードバイク旅の行程や鄙びた旅館への宿泊記録を書いています。「役に立った」と思われましたら、ブックマーク・シェアをしていただければ嬉しいです。

過去に泊まった旅館の記事はこちらからどうぞ。

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